春は別れと出会いの季節です。この春、私たち株式会社四方継が運営支援を行う「つない堂」、そしてその拠点で活動する「しずく学習塾」からも、多くの子どもたちが新しいステージへと巣立っていきました。
卒業生の皆さん、そして進級された皆さん、本当におめでとうございます。また、受験を乗り越えて合格を勝ち取った子どもたち、保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。
私たちが掲げる「信頼の輪を広げ、検索不要の安心安全な地域社会を作る」というビジョンの中心には、常に子どもたちの存在があります。子どもたちの学びと成長こそが、地域の未来を形づくる最も大切な要素だと、私たちは確信しています。
今回は、この春の子どもたちの門出を祝福するとともに、私たちが日々大切にしている教育支援の取り組みについてお伝えします。
第1章:地域の信頼が生んだ嬉しい盛況
しずく学習塾に寄せられる期待
この春、しずく学習塾では三年生が卒業し、新たな人生の一歩を踏み出しました。子どもたちの晴れやかな笑顔を見送る喜びは、何物にも代えがたいものです。
そして驚くべきことに、卒業生を送り出した寂しさを感じる間もなく、すぐに新二年生、三年生からの申し込みが殺到し、あっという間に募集人数がいっぱいになりました。
この事実は、地域の保護者の皆様が、しずく学習塾の教育環境と、私たちつない堂が提供する安心感に強い信頼を寄せてくださっている証だと受け止めています。本当に嬉しい限りです。
人生を変える体験を届ける
私たちが目指すのは、単なる学力向上の支援ではありません。代表の高橋剛志が常々語る「人生を変える体験が人生を変える」という哲学のもと、子どもたちの記憶に残る経験を提供することに力を注いでいます。
2025年3月29日には、テラスでしずく学習塾の卒業パーティーを開催しました。予想通り少し寒い日となりましたが、運営スタッフ、ボランティアの皆さん、卒業生、在校生、総勢18名でとても盛り上がりました。
このような交流の場は、卒業生が地域社会からの温かい眼差しを感じ、在校生が卒業後の未来への希望を抱く、貴重な機会となります。子どもたちの笑顔と歓声が、私たちスタッフにとって何よりのご褒美でした。
また、夏に開催した「ちびっこ応援!木工教室」では、暑い中でしたが冷風機を導入し、子どもたちが「インテリア棚」や「キーフック」を作る「ちびっ子大工奮闘中!」の機会を提供しました。
学習塾での座学とは異なる「ものづくり」の喜びを知る体験は、子どもたちの多様な可能性を育むために欠かせません。工具を手にした子どもたちの真剣な眼差しは、私たちに大きな感動を与えてくれました。
合格と卒業は、こうした日々の学びと体験、そして何より子どもたち自身の努力の結晶です。私たちは、その過程を地域全体で支えられたことを心から誇りに思います。
地域に根ざした活動の意味
私たちが運営する「つない堂」は、地域活性化の拠点として機能しています。その理念は「人、街、暮らし、文化を継ぎ四方良しを実現する」というもの。四方良しとは、売り手良し、買い手良し、世間良し、未来良しという考え方で、目先の利益ではなく、長期的に社会全体が良くなることを目指しています。
教育支援もその重要な柱の一つです。子どもたちが地域社会の中で自信を持って一歩踏み出す勇気を持てるよう、私たちは様々な角度から応援しています。
第2章:持続可能な学びのインフラを支える専門性
見えない部分での地道な努力
子どもたちの夢と信頼を支えるためには、情熱だけでは不十分です。活動を持続可能にするための専門的な知識と実行力が必要になります。
この春、私たちスタッフは非常に多忙な日々を送りました。「春だというのに仕事も私生活もてんやわんや」という状況の中で、以下のような重要な業務に取り組みました。
まず、年度末の助成金報告と2025年度の助成金申請です。助成金とは、国や地方自治体、民間団体が地域貢献活動を支援するために提供する資金のことです。返済不要ですが、厳格な報告義務があり、予算の使途を細かく説明する必要があります。
この作業は非常に煩雑ですが、地域の教育支援を継続させるためには欠かせません。申請書類の作成には専門的な知識が求められ、活動内容を具体的に説明し、社会的意義を明確に示す必要があります。
情報発信の丁寧な更新
次に、教室の引越しに伴うホームページやチラシの更新作業です。これは単なる見た目の変更ではありません。地域住民の皆様が正確に、そして安心して情報を得られるよう、細部まで丁寧に手を加えました。
具体的には、地図を新しくしたり、写真を新しくしたりと、実際の教室の様子が正確に伝わるよう工夫しています。保護者の方が初めて訪れる際に迷わないよう、最寄りのバス停や目印となる建物なども記載しました。
さらに、新たに「ご支援のお願い」というページを作成し、銀行振込やカード決済でご支援いただける体制を整えました。透明性を重視し、集まった資金がどのように使われるかを明確に説明しています。
これらの業務を通じて、私たちは単なるボランティアではなく、地域社会の教育インフラを支えるプロフェッショナルとしての責任を果たしています。
常に学び続ける姿勢
子どもたちの成長を支える大人が、常に学びを止めないことも重要です。私たちは、地域社会の教育に関する最新の情報を逃さないよう努めています。
2025年3月22日には、スタッフが西神中央で行われた「こどもまんなか講演会」に参加しました。講演の内容が必ずしも自分の求めているものと完全に一致しなかったとしても、仕事が忙しい中で時間を割いて情報収集に努める姿勢は、子どもたちの未来への真剣な投資の表れです。
このような地道な努力の積み重ねが、質の高い教育支援を継続する基盤となっています。私たちは、卒業・進級を果たした子どもたちが、将来にわたって安心して学べる環境を守り続けます。
第3章:憧れの職業を目指せる未来づくり
モノづくりを子どもの憧れに
合格や卒業を迎えた子どもたちへの最大の祝福は、彼らが将来、夢と希望を持って職業を選べる未来を整えることだと、私たちは考えています。
代表の高橋剛志は「モノづくりの担い手を子供の憧れの職業にすることを目指す」という強い挑戦を掲げています。現在、職人や技術者という仕事は、その重要性に比べて若者にとっての憧れの職業とは言えない状況があります。
しかし、家を建てる大工、精密な技術を持つ職人、地域のインフラを支える技術者たちこそ、私たちの暮らしを支える欠かせない存在です。その価値を正当に評価し、若い世代が誇りを持って選べる職業にしていく。それが私たちの使命です。
しずく学習塾で育った子どもたちが、将来、職人や技術者、あるいは地域社会の担い手として活躍できることを、私たちは心から願っています。
具体的な人材育成の取り組み
この挑戦を実現するため、株式会社四方継では様々な教育事業を展開しています。
2013年には「職人起業塾」を開講し、職人にイントラプレナーシップ、つまり社内起業家精神を醸成する研修を開始しました。イントラプレナーシップとは、組織に属しながらも、起業家のように新しい価値を生み出していく姿勢のことです。
この取り組みは2016年に全国展開され、多くの職人が自らのスキルを活かして新しい事業を立ち上げるサポートをしてきました。職人という仕事の可能性を広げ、より魅力的な職業にしていく試みです。
さらに2023年には「マイスター高等学院」を設立・開校しました。ここでは、高校卒業資格と大工技術を両立させる教育を行っています。学歴と実践的な技術の両方を身につけられる、画期的な教育システムです。
しずく学習塾での学びは、子どもたちがこうしたプロフェッショナルな世界へと羽ばたくための最初の一歩となります。私たちは、子どもたちの進むすべての道が、誇りを持てる職業へと繋がるよう、業界の変革と人材育成にコミットし続けます。
地域連携が生む安心の輪
私たちつない堂は、地域社会の信頼できるハブとして機能することで、子どもたちが安心して成長できる環境を保障しています。
西区役所主催のイベント「エニシミーツ」への参加や、「伊川リバーフェスタ」「西区もくいく」への参加など、行政や地域団体とのリアルなネットワークを構築しています。
エニシミーツとは、E-NISHI(西区の英語表記)と縁(エニシ)を掛けた造語で、地域の人々が出会い、繋がる場を提供するイベントです。私たちはこうした場に積極的に参加し、顔の見える関係づくりを大切にしています。
これにより、子どもたちとその家族が、インターネット検索を必要としないほど、信頼できる情報、サービス、そして人々と繋がれる地域社会の中で暮らせるよう、基盤を整えています。
今回の合格と卒業は、この強固な「信頼の輪」の中で育まれた成果です。一人ひとりの子どもの背後には、学習塾のスタッフ、ボランティアの皆さん、保護者の方々、そして地域全体の温かい支援がありました。
第4章:未来を継ぐ子どもたちへのエール
いい街を継ぐという使命
改めて、しずく学習塾の卒業生、そして新たな学年へと進級したすべての子どもたちへ。合格、そして卒業、本当におめでとうございます。
皆さんの努力と成長は、私たち地域社会にとって最大の喜びであり、「いい街を継ぐ」という私たちの使命の証です。
私たちは、皆さんが地域社会の中で温かい交流を経験し、学びの機会を得て、新しい挑戦を通じて自信を深めていく姿を間近で見てきました。卒業パーティーでの笑顔、満席になった学習塾、木工教室での真剣な表情、そのすべてが私たちの宝物です。
これからも続く支援の約束
これからも、つない堂はホームページやチラシの丁寧な更新、持続的な資金調達体制の整備、そして株式会社四方継全体が推進する教育事業を通じて、地域の子どもたち一人ひとりが、自らの人生と社会の未来を切り拓く力を養えるよう、真剣な投資を継続していきます。
私たちの活動は、決して華やかなものばかりではありません。助成金の申請書類と格闘し、ホームページの文言を何度も推敲し、イベントの準備で汗を流す。そんな地道な作業の連続です。
しかし、子どもたちの成長を目の当たりにするとき、そのすべての苦労が報われます。「先生、合格したよ!」という報告を受けるとき、卒業生が後輩たちに優しく声をかける姿を見るとき、私たちは心から「この仕事をしていて良かった」と感じます。
上棟のような節目
子どもたちの成長は、工務店である私たちにとって、家づくりの「上棟」にも似ています。
上棟とは、建物の基本的な骨組みが完成し、棟木(むなぎ)を取り付ける工事のことです。家づくりの重要な節目であり、この日を迎えることは大きな喜びです。
学習塾での学びや地域での交流は、時間をかけて選定し、丁寧に加工された「材木」のようなものです。そして、卒業や進級という節目は、その材木が組み上げられ、未来へと続く「骨組み」がしっかりと立ち上がった瞬間だと言えます。
私たちは、これからも皆さんの成長という家づくりを、地域全体で支える技術者集団として、最高の専門性と信頼性を提供し続けます。
皆さんへの心からの祈り
皆さんの新しい挑戦が、輝かしい成功に満ち溢れることを心から祈っています。そして、いつか皆さんが、この地域の「作り手」「継ぎ手」として活躍してくれる日を楽しみにしています。
中学を卒業して高校へ進む人、新しい学年でさらに学びを深める人、それぞれの道は違っても、皆さん一人ひとりが地域の宝であり、未来への希望です。
困ったことがあったら、いつでも私たちのところに戻ってきてください。つない堂は、いつでも皆さんを温かく迎えます。卒業しても、進級しても、皆さんは私たちの大切な仲間です。
最後に、保護者の皆様にも心から感謝申し上げます。私たちの活動を信頼し、大切なお子様を預けてくださり、本当にありがとうございました。これからも、地域の子どもたちの成長を共に見守っていければ幸いです。
春は、終わりであり始まりです。別れの寂しさと、新しい出会いへの期待が混じり合う季節。私たちは、これからも変わらず、子どもたちの未来を照らす灯火でありたいと願っています。
皆さんの未来に、たくさんの幸せが訪れますように。
