注文住宅を検討中のあなたへ!断熱材の選び方とUA値からわかる建築的な断熱の仕組みとは?
この記事のポイント
- 注文住宅の断熱性能を判断する「UA値」の意味と基準を専門家が解説
- 「冬暖かく、夏涼しい」家づくりのために知っておくべき断熱設計の考え方
- 実例を交えながら、建築会社が実践する断熱材の選び方と施工のコツを紹介
押さえるべき要点3つ
- UA値は家全体の断熱性能を数値化した指標で、数値が低いほど断熱性が高い
- 断熱材の種類と施工精度が快適性・省エネ性を大きく左右する
- 注文住宅では設計段階での断熱シミュレーションと施工管理が成功の鍵
この記事の結論
- UA値が0.46以下なら全国的に高水準の断熱性能を持つ
- 断熱は「素材+設計+施工精度」で決まる
- 高断熱住宅は光熱費を30〜50%削減できる可能性がある
- 注文住宅では地域・ライフスタイル・将来設計を踏まえて断熱設計を最適化すべき
- 長期的に資産価値を保つために、職人が確かな施工を行う建築会社を選ぶことが重要
注文住宅と断熱性能の関係とは?
注文住宅の価値を決める「断熱設計」
一言で言うと「断熱は家の性能の基準値」です。
壁や天井にどんな断熱材を使うかではなく、「家全体をどれだけ熱が逃げにくく設計できるか」が本質です。断熱が十分でないと、室温が安定せず冷暖房効率が落ち、光熱費も上がります。
例えば、UA値0.87の住宅と0.46の住宅では、年間冷暖房費に約4〜5万円の差が生じることがあります。長期的に見れば、住宅ローンよりも「冷暖房コスト」が家の快適度を左右します。
UA値とは?断熱性能の”見える化”指標
UA値とは「外皮平均熱貫流率(U-value of the building Average)」の略で、家全体の外壁や窓などを通じて失われる熱の割合を表す数値です。
UA値が低いほど熱が逃げにくく、省エネルギーな住宅です。
| 断熱地域区分 | 推奨UA値(W/㎡K) | 地域例 |
|---|---|---|
| 1〜2地域 | 0.28以下 | 北海道・寒冷地 |
| 3〜4地域 | 0.46以下 | 東北・北関東 |
| 5〜6地域 | 0.56以下 | 関西・中部 |
| 7地域 | 0.87以下 | 九州南部 |
建築基準法でもUA値は「断熱等級6・7」などの性能評価で使われています。つまり、UA値は”断熱性能のスコア”です。
四方継の取り組み:UA値0.46以下を実現する家づくり
当社では、「断熱材の性能+施工精度」を両輪として性能を確保しています。
現場大工が一棟ごとに気密測定を行い、断熱欠損(隙間や熱橋)を最小限に抑えながら施工。結果として、多くの住宅でUA値0.43前後、C値0.5以下の高性能を達成しています。
断熱材の種類とその特徴を徹底解説
断熱材の3大系統
断熱性能のカギは「使用する断熱材と施工方法」です。代表的な種類を整理すると、以下の通りです。
| 種類 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| グラスウール | ガラス繊維系の定番断熱材 | 安価・施工しやすい | 隙間施工で性能低下 |
| 吹付ウレタン | 高い気密性・断熱性 | 複雑な形状にも対応 | 経年変化・施工技量が重要 |
| セルロースファイバー | 古紙由来のエコ素材 | 吸放湿性が高く調湿効果あり | 専門施工が不可欠 |
一言で言うと、「素材よりも施工精度が性能を決める」ということです。
実例:UA値0.43を達成した吹付ウレタン断熱の家
2024年竣工の神戸市西区N邸では、壁に硬質ウレタンフォームA種35を採用。
床下の断熱も基礎断熱とし、外皮全体の熱損失を抑える設計でUA値0.43、室温も冬場18〜20℃を維持できました。
また、リフォームやリノベーション時にはセルロースファイバー断熱を採用し、既存住宅の断熱改修を行っています。
木造住宅と断熱の相性
木には熱伝導率が低いという特性があります。
つまり、木造は断熱と親和性が高く、「正しい断熱計画+職人の丁寧な施工」で鉄骨造よりも快適性を高められます。
四方継では「構造を大切にした断熱」を実現し、住まい手が世代を超えて受け継げる家づくりを行っています。
注文住宅で断熱設計に失敗しないための手順
ステップ1:地域の気候を分析する
結論から言うと、「断熱設計は地域ごとに正解が違う」です。
神戸のような温暖地では、外壁の断熱よりも”窓の熱対策”が重要になります。
窓のUA値は一般的に外皮全体の約60%の熱損失原因です。
ステップ2:設計段階でUA値シミュレーションを行う
当社では設計時に「断熱計算ソフト(建築研究所仕様)」を使って、外皮ごとのUA値を算出します。
これにより、**設計段階で断熱性能を”数値で確認できる”**ため、完成後の性能ギャップが防げます。
ステップ3:施工時に”熱橋(ヒートブリッジ)”を消す
壁や梁のつなぎ目、サッシまわりの断熱欠損は性能劣化の大きな原因です。
職人が1棟ずつ赤外線カメラで熱漏れをチェックし、隙間を丁寧に補修。
この過程が、数値には見えない快適性をつくります。
ステップ4:完成後の気密測定で品質保証
断熱は「見るだけでは分からない性能」です。
当社ではC値(相当隙間面積)を実測し、0.5以下が確認できた住宅のみを「高断熱住宅」として保証しています。
断熱性能を高める窓選びのポイント
窓は住宅の弱点?断熱性能への影響
先述の通り、窓は外皮全体の約60%もの熱損失原因となります。どれだけ壁の断熱を強化しても、窓の性能が低ければ全体のUA値は改善されません。
高性能窓の選び方
近年、住宅用の窓は飛躍的に性能が向上しています。
- 樹脂サッシ:アルミサッシと比べて熱伝導率が約1000分の1
- Low-E複層ガラス:特殊金属膜で熱の出入りを遮断
- トリプルガラス:3枚ガラスで最高水準の断熱性能
当社では、地域やお客様のご予算に応じて、最適な窓の組み合わせをご提案しています。
特に南面の大開口部には高性能トリプルガラスを採用し、冬場の日射取得と夏場の遮熱を両立させる設計を心がけています。
窓の配置で変わる断熱性能
窓の性能だけでなく、配置も重要です。
- 南面:冬の日射取得を最大化
- 北面:最小限の開口で熱損失を抑える
- 東西面:夏場の日射遮蔽を重視
このように、方角ごとに窓の大きさと性能を最適化することで、UA値を下げながら明るく開放的な住まいを実現できます。
高断熱住宅のメリットとデメリット
メリット1:光熱費の大幅削減
高断熱住宅の最大のメリットは、光熱費の削減です。
一般的な住宅と比較して、年間の冷暖房費を30〜50%削減できる可能性があります。住宅ローンの返済期間である35年間で考えると、その差は数百万円にも及びます。
メリット2:健康で快適な室内環境
断熱性能が高い住宅は、室温の変化が少なく、ヒートショックのリスクも低減します。
特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、健康面でのメリットが大きいと言えます。
メリット3:資産価値の向上
2025年以降、省エネ基準への適合が義務化される流れの中で、高断熱住宅は将来的な資産価値の面でも有利です。
デメリット1:初期コストの増加
高性能な断熱材や窓を使用するため、一般的な住宅と比べて初期コストは10〜15%程度増加します。
ただし、光熱費削減効果を考慮すると、10〜15年でコスト回収できるケースが多いです。
デメリット2:換気計画の重要性
高気密・高断熱住宅では、計画的な換気が必要不可欠です。
当社では全棟に24時間換気システムを標準装備し、常に新鮮な空気が循環する設計としています。
四方継が考える「世代を超える断熱性能」
30年後も性能を維持する施工品質
当社の家づくりで最も重視しているのは、「30年後、50年後も性能を維持できる施工品質」です。
どれだけ高性能な断熱材を使用しても、施工が不適切であれば数年で性能は劣化します。
職人の技術と誇り
四方継では、長年培ってきた職人の技術を次世代に継承しながら、最新の断熱技術を融合させています。
一棟一棟、職人が責任を持って施工し、完成時には必ず気密測定を実施。数値で品質を保証することで、お客様に安心していただける家づくりを実現しています。
地域に根ざした家づくり
神戸・兵庫エリアの気候特性を熟知した当社だからこそ、この地域に最適な断熱設計をご提案できます。
温暖で湿度の高い瀬戸内海気候に適した断熱・調湿設計は、地域の気候を知り尽くした建築会社だからこそ実現できる技術です。
よくある質問(FAQ)
Q1. UA値がよい家とはどのくらいですか?
UA値0.46以下であれば、関西・中部エリアでは高断熱住宅の基準です。さらに高性能を求めるなら、0.40以下を目指すことをお勧めします。
Q2. 断熱材を厚くすれば住宅性能が上がりますか?
一定以上厚くしても効果は頭打ちです。気密性の確保が同時に重要です。断熱材の性能は、厚さだけでなく施工精度によって大きく左右されます。
Q3. 気密と断熱はどう違いますか?
断熱は熱を遮る性能、気密は空気の漏れを防ぐ性能です。どちらもセットで考える必要があります。気密性が低いと、せっかくの断熱性能も活かせません。
Q4. UA値が同じなら、どの会社で建てても同じですか?
理論値は同じでも、施工精度次第で実際の性能は異なります。設計図上のUA値と、完成後の実測値には差が生じることがあるため、施工品質の確認が重要です。
Q5. 夏の暑さにも断熱は効果がありますか?
はい。断熱は「熱の出入りを抑える」ため、夏の冷房効率も上がります。特に屋根断熱を強化することで、夏場の室温上昇を大幅に抑えられます。
Q6. UA値を下げるにはどこを改善すればよいですか?
窓の性能を上げる・断熱材の種類を見直す・屋根と床の断熱を強化することです。特に窓は効果が大きいため、優先的に検討すべきポイントです。
Q7. 省エネ住宅補助金はUA値に関係ありますか?
はい。「住宅省エネ2025」では、UA値基準を満たすことが申請条件の一つです。補助金を活用することで、高断熱住宅の初期コストを軽減できます。
Q8. リフォームでも高断熱化は可能ですか?
可能です。当社では既存住宅の断熱改修も数多く手がけています。特にセルロースファイバーは、既存の壁を残したまま施工できるため、リフォームに適しています。
まとめ:UA値で見える「心地よい住まい」の本質
- UA値が低い=家全体が熱を逃がさず、快適でランニングコストを抑えられる
- 地域・生活スタイルに合わせた断熱設計が注文住宅の真価を決める
- 断熱材の選定よりも「施工精度と測定」が性能の鍵
- 四方継ではUA値・C値の実測を通じて、世代を超えて住み継げる家づくりを実現している
注文住宅において、断熱性能は単なる数値目標ではありません。
ご家族が毎日快適に過ごせる空間をつくり、光熱費を抑えながら健康的な暮らしを実現し、さらには次世代へと受け継いでいける資産価値を生み出す——それが、私たち四方継が考える「本質的な断熱性能」です。
UA値という指標を正しく理解し、地域の気候特性に合わせた最適な断熱設計を行うこと。そして何より、確かな技術を持つ職人が、一棟一棟丁寧に施工すること。
この両輪が揃って初めて、真に快適で省エネルギーな住まいが完成します。
株式会社四方継では、お客様一人ひとりのライフスタイルや将来設計に寄り添いながら、最適な断熱性能を持つ注文住宅をご提案しています。
断熱性能についてのご相談や、実際の施工事例の見学など、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、皆様の理想の住まいづくりをサポートいたします。
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―― 会社情報 ――
株式会社四方継(しほうつぎ)
おもな事業:建築 × 地域活性化
登録番号
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・建築士事務所登録[二級]第02A02681号
・住宅性能保証制度登録 第21016945号
所在地
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