断熱超高性能の注文住宅を目指すなら:建築上の工夫である付加断熱の全貌の一覧表
この記事のポイント
- 注文住宅で断熱性能を高める最重要の手法は「付加断熱」です。
- 外断熱と内断熱の違い、工法別のメリット・デメリットを徹底比較しました。
- 四方継が実践する”住み継げる家づくり”の視点から、省エネと快適性を両立する断熱戦略を紹介します。
押さえるべき要点3つ
- 注文住宅における断熱性能の根幹は「断熱+付加断熱」の総合設計です。
- 付加断熱とは、既存の断熱層の外側または内側にさらに断熱層を加える工法です。
- 光熱費削減だけでなく、住宅寿命・室内環境・健康にも大きく関係します。
この記事の結論
- 断熱性能を上げたいなら、付加断熱を併用するのが最善策。
- 外断熱+内断熱のハイブリッドで、熱損失を最小化できる。
- 地域や建物特性に合わせた材料選定が最も重要。
- 設計段階での断熱計画の可視化が、省エネ住宅の第一歩。
- 長く快適に暮らす鍵は、**「熱を逃がさない構造」**です。
注文住宅における「付加断熱」とは何か
一言で言うと、「断熱の二重構造」
付加断熱とは、主要な断熱材の外側もしくは内側に新たな断熱層を追加することで、断熱性能を強化する工法です。
通常、外断熱(外壁側に施工)と内断熱(壁の内側に施工)がありますが、付加断熱はその”二重構造”により、熱橋(ヒートブリッジ)の発生を抑え、住宅全体を均一に保護します。
なぜ付加断熱が必要なのか
「断熱材を増やすだけではダメなの?」という質問をよくいただきます。
結論から言うと、単層の断熱材だけでは、柱や間柱など熱が伝わりやすい構造部分から熱が逃げてしまうからです。付加断熱は、その”逃げ道”を断つ最後の仕上げ。熱を均等に遮ることで、室内の温湿度を安定させ、省エネルギー効果を最大化します。
注文住宅の断熱工法別:付加断熱の種類と特徴一覧
| 工法名 | 層構成 | メリット | デメリット | コスト目安(㎡あたり) |
|---|---|---|---|---|
| 外張り付加断熱 | 外壁の外側に断熱材を追加 | 熱橋が少ない/結露防止効果大 | 施工コストや工期が増える | 約5,000〜7,000円 |
| 内側付加断熱 | 室内側の壁に断熱材を補強 | リフォームでも対応可 | 壁厚が増し居室が狭くなる | 約3,000〜5,000円 |
| 屋根付加断熱 | 屋根外側・内側に断熱材追加 | 夏の熱気・冬の冷気を遮断 | 高所作業によるコスト増 | 約6,000〜8,000円 |
| 床下付加断熱 | 基礎下や床下に断熱層追加 | 足元の冷え防止/湿気抑制 | リフォーム時施工は困難 | 約4,000〜6,000円 |
外付加断熱・内付加断熱の違いと選び方
外付加断熱の特徴と向いている住宅
外付加断熱は、建物全体を外側から包み込むように断熱材を配置する工法です。
熱橋を断ち切り、躯体の温度変化を小さく抑えるため、結露や素材の劣化を防ぎます。寒冷地や、長期優良住宅を目指す注文住宅に最適です。
実例として、兵庫県のある注文住宅では、外付加断熱(フェノールフォーム+高性能グラスウール)のハイブリッド構造により、年間の冷暖房費を約30%削減しました。
内付加断熱の特徴とリフォーム対応
内付加断熱は、既存住宅やリフォーム時に増設しやすいのが特長です。
クロスや石膏ボードの裏側に断熱層を追加し、施工負担が比較的軽い点も魅力。
ただし、壁厚分だけ室内の有効面積が減るため、設計段階でのバランス調整が不可欠です。
注文住宅で付加断熱を選ぶ際に注意すべき3つのポイント
- 地域気候への適合性
寒冷地・温暖地で必要な断熱厚や素材は異なります。 - 使用素材の熱伝導率と透湿抵抗
遮熱性だけでなく、湿気のコントロール性能も確認が必要です。 - 施工精度とチーム力
断熱は”施工品質”で性能が決まります。熟練の大工・設計士の連携が不可欠です。
株式会社四方継の「断熱を継ぐ家づくり」事例紹介
株式会社四方継では、外断熱+内断熱を組み合わせた独自の”二重断熱工法”を採用しています。
女性設計士と職人が密にコミュニケーションを取り、熱ロスを見える化した施工プロセスを大切にしています。
四方継の標準仕様
- 外壁:高性能硬質ウレタンフォーム(0.024W/mK)
- 内壁:高性能グラスウール16K
- サッシ:樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラス
これにより、**UA値0.34W/m²K(ZEH基準を大幅に上回る性能)**を実現。
お客様からは「冬はエアコン1台でも暖かく、夏も涼しい」と好評です。
地域特性を考慮した断熱設計
兵庫県・関西エリアは、夏の高温多湿と冬の冷え込みの両方に対応する必要があります。四方継では、この地域特性を踏まえた断熱設計を行っています。
夏対策では、屋根付加断熱により屋根裏の熱気を遮断し、室内温度の上昇を抑えます。遮熱性能の高いフェノールフォームを採用することで、エアコンの負荷を軽減します。
冬対策では、外張り付加断熱により建物全体を包み込み、暖房効率を最大化。特に北側の部屋でも温度差が少なく、快適に過ごせる住環境を実現しています。
付加断熱がもたらす経済効果と長期メリット
光熱費削減効果
付加断熱を施した住宅では、年間の冷暖房費を30〜40%削減できるケースが多く見られます。
一般的な120㎡の住宅で計算すると、年間約5〜8万円の光熱費削減が期待でき、初期投資は約10〜15年で回収可能です。
住宅資産価値の向上
高断熱住宅は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)やZEH認定により、資産価値が明確に評価されます。
将来的な売却や賃貸時にも、省エネ性能の高さが大きなアピールポイントとなります。
健康への影響
断熱性能の高い住宅は、室温の安定により、ヒートショックのリスクを大幅に低減します。
特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、健康面でのメリットが顕著です。結露の発生を抑えることで、カビやダニの繁殖も防ぎ、アレルギー対策にも効果的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 付加断熱をすると結露の心配はありますか?
A1. 結論として、正しい通気層と防湿層設計をすれば結露リスクは大幅に減ります。
Q2. 初期費用が高いけど本当に元が取れる?
A2. 約10〜15年で光熱費削減分が回収可能です。住宅寿命延長も含めると経済的です。
Q3. 断熱材の種類は何がおすすめ?
A3. 外付加断熱ではフェノールフォーム、内付加断熱では高性能グラスウールが主流です。
Q4. 付加断熱はZEH対応に有利?
A4. はい。付加断熱はUA値を下げ、省エネ基準の適合に直結します。
Q5. メンテナンスは難しいですか?
A5. 施工後のメンテナンスは最低限でOK。点検口から内部状態を確認する定期点検が有効です。
Q6. 断熱等級7を狙うには?
A6. 外+内付加断熱を併用し、サッシ・玄関扉の高断熱化を組み合わせることが必須です。
Q7. どんな住宅にも付加断熱できる?
A7. 木造軸組・2×4・RC造すべて可能ですが、工法により施工手法が異なります。
Q8. 付加断熱の施工期間はどのくらい?
A8. 通常の断熱施工に比べて1〜2週間程度長くなりますが、長期的な性能を考えると十分に価値のある投資です。
まとめ:注文住宅の断熱は「付加断熱」で決まる
- 外と内の両面で熱を遮断する「付加断熱」は最も効果的。
- 設計段階から断熱計画を立てることで、性能が長く維持される。
- 四方継では「人と家、街と文化を継ぐ断熱設計」を追求しています。
住み継がれる家は、断熱でつくられる。
それが私たち株式会社四方継の考える、「いい街を継ぐ建築」です。
断熱性能は、単なる省エネ対策ではありません。家族の健康、住まいの快適性、そして地球環境への配慮まで、すべてに関わる重要な要素です。
付加断熱という選択は、今を快適に過ごすためだけでなく、次の世代へと住み継がれる家をつくるための投資なのです。
株式会社四方継では、お客様一人ひとりのライフスタイルや敷地条件に合わせた最適な断熱設計をご提案しています。
断熱性能についてのご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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―― 会社情報 ――
株式会社四方継(しほうつぎ)
おもな事業:建築 × 地域活性化
登録番号
・兵庫県知事許可[般-3]第113647号
・建築士事務所登録[二級]第02A02681号
・住宅性能保証制度登録 第21016945号
所在地
〒651-2111
兵庫県神戸市西区池上3-6-7
SUMIRE.COmplex 2F(Office)
【アクセス】
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