こんにちは。株式会社四方継です。
私たちは2012年、高性能ゼロエネルギー住宅「SUMIKA-ZERO(スミカゼロ)」の国土交通省ゼロエネルギー推進化住宅認定という重要な実績を達成しました。この認定は、単なる技術的成果にとどまらず、「人、街、暮らし、文化を継ぎ 四方良しを実現する」という当社の経営理念を具現化した、未来への責任ある取り組みの証となっています。
時代を先取りしたゼロエネルギー住宅への挑戦
社会課題としてのエネルギー問題
現代の日本では、エネルギー問題が深刻化しています。電気代の高騰、環境負荷の増大、そして将来への不安。これらは、お客様が日々実感される現実的な課題です。
ゼロエネルギー住宅(ZEH)とは、住宅で使用するエネルギーを太陽光発電などで創り出すエネルギーで相殺し、年間のエネルギー消費量を実質的にゼロにする住宅です。簡潔に表現すれば「電気代がほとんどかからない家」ということになります。
2012年という早期着手の意義
当社が開発したSUMIKA-ZEROは、2012年という早い段階で国土交通省の認定を受けました。一般的にゼロエネルギー住宅が注目され始めたのは2014年頃からですから、これは業界においても画期的な取り組みでした。
つまり当社は、時代を先取りして、お客様が将来直面するであろう課題を予見し、その解決策を技術的に実現していたのです。これは技術者集団として、単に現在のニーズに応えるだけでなく、将来のエネルギーコスト増大を予測し、先手を打って対策を講じたことを意味します。
お客様の「まだ気づいていない望み」への対応
当時、多くの方がエネルギー問題の深刻さを実感する前の段階でしたが、当社は技術開発と実装を進めました。これが当社の考える「まだ気づいていない、知らない望み」への対応です。
お客様が課題として認識される前に、その問題を解決する技術を開発し、提供する。これこそが真の意味での「暮らしを継ぐ」取り組みであり、当社の使命だと考えています。
SUMIKA-ZEROが実現する「四方良し」のビジネスモデル
CSVモデルの実践
CSVモデルとは「Creating Shared Value(共有価値の創造)」の略で、企業が社会課題を解決しながら経済価値も同時に創出するビジネスモデルです。
SUMIKA-ZEROはまさにこのCSVモデルの実践例です。環境負荷の軽減という社会課題を解決しながら、お客様の光熱費削減という経済的価値を創造しています。当社にとっても、技術力の向上と市場における差別化という価値を生み出しました。
お客様への具体的な価値提供
SUMIKA-ZEROにお住まいの方々は、以下のような具体的なメリットを享受いただけます。
光熱費の大幅削減:年間10万円以上の節約も可能となり、長期的な経済メリットが実現できます。
快適な室内環境:高断熱・高気密により、夏は涼しく冬は暖かい、年間を通じて快適な住空間を提供します。
資産価値の維持:将来的にも価値が下がりにくい住宅として、資産としての価値を保ちます。
環境貢献:CO2削減に貢献する暮らしを実現し、次世代への責任を果たせます。
技術者集団としての基盤
当社は1994年に大工集団「高橋組」として創業し、2005年には2級建築士設計事務所として登録しました。この長年の経験と技術の蓄積が、SUMIKA-ZEROの高い技術力を支えています。
設計部門「つむぎ建築舎」では、世代を超えて受け継がれる価値ある建築の実現を目標としており、SUMIKA-ZEROはその技術的なプロトタイプとなったのです。
2012年に本格化した多角的な安心・安全への取り組み
先進的な電磁波対策
SUMIKA-ZEROの認定と同じ2012年、当社は電磁波対策の取り組みも本格化させました。これは当時としては非常に先駆的な取り組みでした。
現代社会では、WiFi、スマートフォン、電子機器など、様々な電磁波が飛び交っています。その健康への影響について明確な結論は出ていませんが、不安を感じる方も多いのが現実です。
当社は技術者集団として、この新しいリスクにも真正面から向き合いました。住宅設計において電磁波を考慮することで、お客様の安心をより高いレベルで実現しようと考えたのです。
長期メンテナンスサービスの充実
高性能住宅は、その性能を長期間維持してこそ真の価値があります。そのため当社は2009年から「すべてのお客様に生活の安心・安全を」を合言葉に、無料巡回メンテナンスサービスを本格化しました。
このサービスは神戸近郊に限定されますが、建築後も継続的にお客様をサポートすることで、真の意味での「世代を超えて価値ある建築」を実現しています。
「常態」としての安心実現
当社が目指すのは、一時的な高性能ではありません。「常態」として安心・安全を維持し続けることです。
SUMIKA-ZEROのような高性能住宅と、継続的なメンテナンスサービスを組み合わせることで、お客様は長期にわたって安心して暮らしていただけます。これが当社の考える「暮らしの継承」なのです。
社内起業家精神の醸成:職人起業塾の取り組み
イントラプレナーシップ研修としての職人起業塾
SUMIKA-ZEROのような高性能住宅を実現するためには、優秀な職人の技術が不可欠です。設計図がいくら優れていても、それを現場で完璧に実現できる職人がいなければ意味がありません。
そこで当社は2013年、社員大工のキャリアアップと地域の職人活性化を目的に「職人起業塾」を開講しました。これは独立開業を促進するものではなく、社内における起業家精神、すなわちイントラプレナーシップを醸成する研修プログラムです。
社内起業家精神が生み出す価値
職人起業塾では、職人が単に指示された作業をこなすのではなく、自ら考え、改善提案を行い、プロジェクト全体の品質向上に貢献できる人材育成を目指しています。
このようなイントラプレナーシップの醸成により、当社の施工品質は飛躍的に向上しました。現場の職人一人ひとりが、お客様の満足と会社の成長を自分事として捉え、主体的に行動する。この姿勢こそが、SUMIKA-ZEROで培った高品質を「常態」として維持できる原動力となっています。
「モノづくりの担い手を子供の憧れの職業に」
当社が目指すのは、単なる技術の伝承ではありません。職人という仕事に誇りを持ち、子供たちが憧れる職業にすることです。
高品質な住宅を作り上げる職人の技術は、日本の伝統的な技能です。この技能を次世代に継承することは、当社の重要な使命でもあります。
職人起業塾での継続的な教育と実践を通じて、高い技術力を「常態」として維持し、お客様により良い住宅を提供し続けることができるのです。
暮らしの文化を豊かにする統合的アプローチ
ハードとソフトの統合
SUMIKA-ZEROのような高性能住宅は「ハード」の部分です。しかし当社は、いくら高性能な住宅があっても、そこでの暮らし方が豊かでなければ真の価値は実現できないと考えています。
2015年に開講した「すみれ暮らしの学校」では、住環境に食や学びを通して日々の暮らしを豊かにすることをコンセプトとし、生活の質そのものを高める取り組みを行ってきました。
つない堂への活動移行
2020年の株式会社四方継への社名変更を機に、すみれ暮らしの学校の活動は「つない堂」へと移行しました。これは、暮らしの文化を継ぐという理念をより明確な形で実現するための戦略的な組織再編です。
つない堂では、料理教室、ガーデニング教室、子育て講座など、様々なプログラムを通じて地域のコミュニティを活性化することも目指しています。これは当社の理念である「四方良し」の中でも、特に「地域社会」への貢献につながる取り組みです。
暮らしのデザインという視点
ハードとソフトの両方を統合することで、初めて本当の意味での「豊かな暮らし」が実現できます。これが当社の「暮らしのデザイン」というアプローチです。
SUMIKA-ZEROという高性能住宅に、つない堂での暮らしの文化が加わることで、お客様の生活全体をトータルでサポートすることができるのです。
未来創造企業としての継続的な成長
社名変更に込めた理念
2020年、当社は社名を「株式会社四方継」に変更しました。この変更は、「人、街、暮らし、文化を継ぎ『四方良し』を実現する」という理念を明確に表現するためのものでした。
SUMIKA-ZEROの開発・認定といった未来志向の取り組みの積み重ねが、この理念の結晶化につながったのです。
未来創造企業認定の意義
2022年、一般社団法人日本未来企業研究所より「未来創造企業」として認定されました。これは当社の長年にわたる社会課題解決型の取り組みが高く評価された結果です。
SUMIKA-ZEROに象徴される技術革新、職人起業塾での社内起業家精神の醸成、マイスター高等学院での人材育成、これらすべてが「未来を創造する経営」として認められたのです。
継塾での経営の「理」の探求
当社は定期的に「継塾」を開催し、持続可能なビジネスモデルの探求を続けています。特にCSVモデルに焦点を当て、社会課題解決と経済価値創造の両立について議論を重ねています。
2025年3月の継塾では「『常態』全ての成果の元になる理にじっくりと向き合ってみませんか?」がテーマでした。SUMIKA-ZEROのような高品質な成果を継続的に生み出すために、常に経営の「理」を見つめ直しているのです。
SUMIKA-ZEROが示す当社の未来への道筋
2012年のSUMIKA-ZERO認定から13年が経過しましたが、この実績が示す当社の方向性は今も変わっていません。
当社は単なる建設会社ではなく、未来の「暮らし」に責任を持つ「未来創造企業」です。SUMIKA-ZEROの国土交通省認定実績は、その証明でもあります。
環境と経済のCSV、先見性に基づく安心・安全への配慮、技術者集団としての継続的な成長、そして社内起業家精神の醸成。これらすべてが統合されることで、真の意味での「世代を超えて受け継がれる価値ある建築」が実現できるのです。
当社の理念「人、街、暮らし、文化を継ぎ 四方良しを実現する」は、SUMIKA-ZEROという具体的な形で証明されています。
住まいをお考えの際は、ぜひ当社にお声かけください。SUMIKA-ZEROで培った技術と経験を活かし、お客様にとって最適な住まいを提案させていただきます。これからも当社は、この理念に基づいて皆様の暮らしを支え続けてまいります。