【インタビュー】地域社会とつない堂の活動:能登半島における伝統的建築物修復の建築報告

地域社会の文化を「継ぐ」つない堂の使命:能登半島の伝統的建築物修復プロジェクトと建築報告

能登半島の伝統的建築物修復は、地域社会の文化と暮らしを未来へ継ぐための実践的な建築プロジェクトです。

私たち株式会社四方継/つない堂は、地震で傷ついた能登半島輪島市黒島地区の重要伝統的建築物の修復に携わり、現地に泊まり込みながら技術と文化を「つなぐ」建築活動を進めています。


【この記事のポイント】

今日の要点3つ

  • 能登半島の伝統的建築物修復は、「建築×地域社会×文化継承」を一体で考えるプロジェクトであること。
  • つない堂は、情報誌「つないどう?」や現地での大工による活動を通じて、修復のプロセスと地域の声を可視化していること。
  • 神戸の工務店である私たちが能登半島に関わることで、ローカル同士が支え合う新しい地域社会ネットワークが生まれていること。

この記事の結論

  • 能登半島の伝統的建築物修復は、地域社会の記憶と暮らしを守る「建築による文化継承」の実践です。
  • つない堂は、現地での大工による修復と、情報誌による発信の両輪で地域社会と外部をつなぐ役割を担っています。
  • 地方工務店同士が技術と想いを持ち寄ることで、災害後の復興が「元に戻す」だけでなく、「より誇れる地域づくり」へと進化します。
  • 伝統的建築物修復は、若い職人の育成や技術継承にも直結し、建築業界全体の未来を支える取り組みです。

地域社会×建築:つない堂が能登半島の伝統的建築物修復に関わる理由とは?

一言で言うと、つない堂が能登半島の伝統的建築物修復に関わる理由は「地域社会の記憶を建築で継ぐため」です。

私たち株式会社四方継は、「人、街、暮らし、文化を継ぎ四方良しを実現する」という理念のもと、建築と地域活性化を一体の事業として捉えています。

神戸という自分たちのホームエリアを超えて能登半島に関心を寄せたのは、災害によって傷ついた伝統的な建築物が、単なる「建物」ではなく、そのまま地域社会のアイデンティティであると感じたからです。

具体的には、つない堂の情報誌「つないどう?」最新号で「能登半島輪島市黒島地区・重要伝統的建築物修復レポート」を特集し、現地で泊まり込みで修復にあたった弊社大工・石田の活動を詳しく紹介しています。

誌面では、被災した建物の現状、修復プロセス、地域の方々との対話、そして「なぜ今、よそ者の工務店が能登に入るのか」を、写真と文章で丁寧にお伝えしています。

能登半島の伝統的建築物は、なぜ地域社会にとって特別なのか?

結論から言うと、能登半島の伝統的建築物は「景観・暮らし・仕事・誇り」を同時に支える地域社会の核だからです。

輪島市黒島地区のような重要伝統的建造物群保存地区では、黒瓦の屋根、木の外壁、細い路地や町並み全体が「一つの文化財」として評価されてきました。

地震で建物が傷つくことは、目に見える被害だけでなく、そこに暮らしてきた人の歴史や営みが途切れてしまう不安にもつながります。

例えば、能登瓦プロジェクトでは、地元で受け継がれてきた黒い瓦を活用しながら、景観保全と復興を両立させようとしています。

同じように、私たちが関わる黒島地区の修復も、単なる耐震補強や修繕ではなく、その土地ならではの材料や意匠を守りながら、次の世代が誇れる姿に再生していくことを重視しています。

つない堂の視点:建築は「直す」だけでなく「つなぐ」仕事

最も大事なのは、建築の仕事を「壊れたところを元に戻すだけの作業」と見なさないことです。

私たちは、つない堂の活動を通じて、建築を「人と人」「地域と地域」「過去と未来」をつなぐ媒介として位置づけています。

能登半島での修復も、現地の大工さん・住民・行政・他地域の支援者と対話しながら進めることで、地域社会のネットワークを再編成するプロセスそのものと考えています。

具体例として、神戸でつない堂が関わってきた「エニシミーツ」「伊川リバーフェスタ」「西区もくいく」などのイベントは、行政や地域団体と連携しながら、人の出会いと学びの場をつくってきました。

能登半島での修復も同様に、現場での作業だけでなく、その様子を情報誌やオンラインを通じて発信し、遠く離れた地域の方々にも「自分ごと」として感じていただくことを意図しています。


地域社会と建築をどうつなぐ?つない堂の能登半島修復プロジェクトの具体的な中身とは

一言で言うと、つない堂の能登半島修復プロジェクトは「現地での専門的な建築修復」と「地域社会へ向けた情報発信」を組み合わせた二層構造の取り組みです。

私たちは建築会社として、現場での技術提供だけでなく、その背景にある地域の物語や、職人の視点を分かりやすく伝えることまでをプロジェクトの範囲と考えています。

現地大工による泊まり込み修復:建築プロセスのリアル

結論として、能登半島輪島市黒島地区での修復は「泊まり込みで行う腰を据えた建築プロジェクト」です。

弊社大工・石田は、現地に長期滞在し、重要伝統的建築物の状態を一つ一つ確認しながら、構造の点検、傷んだ部材の交換、伝統工法の再現などを進めています。

こうした修復は、新築とは異なり、既存の建物を一旦解体・調査し、腐朽した部分と活かせる部分を見極めながら、新旧の木材を丁寧につなぎ合わせる高度な技術が求められます。

たとえば、宮大工の世界でも、古い建物を解体して壊れた部分だけを交換し、新しい部材を組み込む修復技術は「先人の知恵と会話しているようだ」と表現されます。

能登半島の現場でも、同様に時間をかけて建物と向き合うことで、地域ごとの癖や工法、過去の職人の工夫を読み取りながら、それを尊重した形で修復を進めています。

情報誌「つないどう?」で伝える修復レポート

結論として、つない堂のメイン業務である情報誌「つないどう?」は、能登半島の修復活動を地域社会へと「翻訳」する役割を担っています。

最新号では、「能登半島輪島市黒島地区【重要伝統的建築物】修復レポート」を特集し、修復前後の写真、現地の声、大工の視点、復興に関わる他団体の動きなどをまとめています。

このように、専門的な建築プロセスをかみ砕いて伝えることで、「遠い場所の災害」だった能登の出来事を、「自分たちの暮らしとつながるテーマ」として感じてもらえるよう工夫しています。

情報誌は、神戸エリアのつない堂ネットワーク(店舗、事業所、サービス、行政、地域団体など)を通じて配布され、インターネット検索をしなくても必要な情報が届く「検索不要の安心地域」を目指す仕組みの一部です。

能登半島の修復レポートも、その一環として、単なる工事報告ではなく、「文化を継ぐ」というテーマで編集し、地域社会全体で共有できるストーリーとしてお届けしています。

建築×教育×地域社会:職人育成とのつながり

最も大事なのは、この修復プロジェクトが、単なる一度きりの支援で終わらず、「人材育成」と「技術継承」にもつながっている点です。

四方継は、職人起業塾やマイスター高等学院を通じて、若い世代の「ものづくりの担い手」を育成してきました。

伝統的建築物の修復現場は、これからの職人にとって、構造・意匠・地域との関係性を学べる格好の「生きた教材」であり、将来的には実習や研修の場としても活用したいと考えています。

たとえば、島根県立出雲工業高校では、地域の神社の老朽化調査と修復に取り組む中で、生徒たちが「過去と会話をしているようだ」と伝統建築の魅力を語っています。

能登半島での取り組みも同様に、若い世代が現地の職人や地域の方々と関わりながら、建築技術だけでなく、「地域社会とどう向き合うか」を学べる場として発展させていくことを目指しています。


よくある質問

Q1. 能登半島の伝統的建築物修復に、つない堂が関わる目的は何ですか?

A1. 地域社会の文化と暮らしを建築で未来につなぐためであり、災害で傷ついた建物を技術とネットワークで支えることを目的としています。

Q2. 輪島市黒島地区の「重要伝統的建築物」とはどのような建物ですか?

A2. 黒瓦の屋根や木造の町家が連なる歴史的な町並みで、地域の景観と暮らしの歴史を象徴する建築群として評価されています。

Q3. 修復プロジェクトではどのような建築技術が使われていますか?

A3. 既存建物の解体・調査、新旧木材の継ぎ直し、伝統工法の再現など、宮大工にも通じる高度な修復技術が使われています。

Q4. 情報誌「つないどう?」は地域社会にどう役立っていますか?

A4. 検索しなくても地域の信頼できる情報が届く仕組みとして、能登半島の修復レポートなどを通じて人とサービスをつなげています。

Q5. 神戸の工務店が能登半島に関わるメリットは何ですか?

A5. お互いの地域が技術と経験を共有し、災害時の支え合いネットワークや広域的な文化継承の体制を築ける点が大きなメリットです。

Q6. このプロジェクトは若い職人の育成にもつながりますか?

A6. はい、伝統的建築物の修復現場は高い学びの場となり、職人起業塾やマイスター高等学院の人材育成とも連動しています。

Q7. 地域住民はこの修復活動をどう受け止めていますか?

A7. 能登瓦や伝統的建築を守る取り組みは、地域の誇りと景観を守る行為として評価され、復興と文化継承の希望として期待されています。

Q8. 建築会社として、今後の能登半島での関わり方はどうなりますか?

A8. 単発の工事ではなく、継続的な修復支援、情報発信、人材育成を通じて、長期的な地域社会とのパートナーシップを目指しています。


まとめ

  • 能登半島輪島市黒島地区での伝統的建築物修復は、地域社会の文化・景観・暮らしを未来へ継ぐ建築プロジェクトです。
  • つない堂は、現地での泊まり込み修復と情報誌「つないどう?」によるレポート発信を通じて、建築の現場と地域社会をつなぐ役割を担っています。
  • この取り組みは、神戸と能登という地域同士が支え合う関係を育み、職人育成や技術継承を含めた「建築×地域社会」の新しいモデルへと発展しています。


―― 会社情報 ――
株式会社四方継(しほうつぎ)
おもな事業:建築 × 地域活性化
登録番号
・兵庫県知事許可[般-3]第113647号
・建築士事務所登録[二級]第02A02681号
・住宅性能保証制度登録 第21016945号
所在地
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