【インタビュー】リノベーションで耐震リノベを実現!耐震補強工法を選ぶ際の建築的な基準とは?

リノベーションを成功させる鍵:建築のプロに聞く耐震リノベのための耐震補強工法と選定の基準とは?

リノベーションで耐震リノベを成功させる鍵は、「今の建物の弱点を正しく診断し、目標とコストに合った耐震補強工法を組み合わせて選ぶこと」です。建築のプロとしては、法的な耐震基準を満たすだけでなく、暮らし方や将来のライフプランまで含めて設計する視点が重要だと考えています。


この記事のポイント

押さえるべき要点3つ

  • 建物ごとに異なる「耐震性能」と弱点を診断したうえで、リノベーションと一体で計画すること
    建物の状態は築年数だけでは判断できません。構造的な弱点を正確に把握することが、効果的な耐震リノベの第一歩です。
  • 耐震補強工法は「壁・骨組みの補強」「揺れを抑える工法」「重量を減らす工夫」を組み合わせて選ぶこと
    単一の工法に頼るのではなく、建物の状況に応じて最適な組み合わせを選定することが重要です。
  • 法規・性能だけでなく、暮らし方・コスト・工期・将来の資産価値まで含めて総合判断すること
    耐震性能の数値目標だけでなく、ご家族のライフスタイルや将来計画も考慮した総合的なプランニングが必要です。

この記事の結論

リノベーションで耐震リノベを行う際は、まず耐震診断で現在の耐震性能を数値で把握するべきです。木造住宅では、壁量・バランス・接合部・基礎の状態を踏まえて、複数の耐震補強工法を組み合わせるのが効果的です。

「新耐震基準」や「2000年基準」以降の設計ルールを目安に、必要に応じて旧基準の建物も性能向上リフォームを検討することが重要です。建築会社を選ぶ際は、リノベーションと性能向上リフォームの実績があり、地域の木造住宅に精通したパートナーかどうかを確認することが大切です。

耐震リノベは「一度で暮らしも安全性も大きく底上げする投資」であり、長期的な安心と資産価値の維持・向上につながります。


リノベーションで耐震リノベを成功させるには?

結論から言うと、リノベーションで耐震リノベを成功させるには「耐震診断→目標設定→工法選定→リノベ計画との統合」という流れを、建築のプロと一緒に段階的に進めることが不可欠です。その理由は、見た目のリフォームだけでは構造的な弱点が残り、いざという時に建物と暮らしを守れないからです。

株式会社四方継では、注文住宅や性能向上リフォーム、リノベーションを一体で扱うことで、このプロセスをワンストップで設計・施工しています。お客様の暮らしを第一に考えながら、構造的な安全性も確保する提案を心がけています。

例えば、築30〜40年の木造住宅では、間取りの変更と同時に耐力壁の追加や接合部の補強を行うことで、耐震評点を引き上げつつ、回遊動線や収納計画も改善するケースが多くあります。一方で、比較的新しい住宅でも、地盤や基礎、壁のバランスなどの条件によっては部分的な耐震補強や屋根の軽量化が有効な場合があります。こうした判断には、現行基準や地域の木造住宅に精通した建築会社の経験が大きく関わってきます。

リノベーションと耐震リノベを同時に進めるべき理由

一言で言うと、リノベーションと耐震リノベを同時に進めることで「コスト効率」と「工期」と「暮らしの質」を同時に高められるからです。内装の解体や間取り変更を行うタイミングで、柱や梁、基礎などへのアクセスがしやすくなり、耐震補強工事を合理的に組み込みやすくなります。逆に、内装リフォームを先に済ませてしまうと、後から耐震補強を追加する際に再解体が必要になり、余計な費用と時間が発生することになります。

私たちは実務において、キッチンやリビングを中心とした大規模リノベーションを計画されるお客様には、必ず同時に耐震診断と補強計画の検討を提案しています。地域密着でリノベーションと性能向上リフォームを行っている工務店として、単に見た目を新しくするだけでなく、「次の世代まで安心して住み継げる家」にすることを大切にしています。

耐震基準と「旧耐震」「新耐震」「2000年基準」の考え方

最も大事なのは、お住まいの建物が「どの耐震基準で設計されているか」を理解したうえで、耐震リノベの必要性と優先度を判断することです。日本の木造住宅では、1981年の建築基準法改正で「新耐震基準」が導入され、2000年の改正でさらに地盤調査や耐力壁のバランス、接合金物などの規定が強化されました。そのため、一般的には「1981年以前」「1981〜2000年」「2000年以降」で耐震性能の目安が変わると考えられています。

ただし、これはあくまで目安であり、同じ年代の住宅でも設計や施工の品質、増改築の履歴によって耐震性は大きく異なります。株式会社四方継が行う性能向上リフォームでも、築年数だけで判断せず、図面や現地調査、必要に応じて構造計算を行い、個別の建物に最適な補強計画を立てることを重視しています。こうしたきめ細かな診断と設計が、耐震リノベの「効き目」と「コストバランス」を左右するポイントになります。


リノベーションと耐震リノベで選べる耐震補強工法とは?

結論として、リノベーション時に選べる耐震補強工法は大きく「耐震補強」「制震補強」「免震補強」の3つに分類でき、その中に具体的な工法が複数存在します。一般的な戸建て木造住宅のリノベーションでは、耐震補強を中心に、必要に応じて制震ダンパーなどを組み合わせるケースが多く見られます。工法ごとの特徴を理解し、建物条件と予算に合わせて選定することが、耐震リノベ成功の近道です。

主な耐震補強工法の種類

一言で言うと、耐震補強工法には「壁を増やす」「骨組みを強くする」「外側から支える」「重量を減らす」といったアプローチがあります。代表的な例として、後打ち壁の増設、鉄骨ブレース補強、外付け鉄骨補強、バットレス(控え壁)の増設、柱巻き付け補強、耐震スリットの新設などが挙げられます。木造住宅の場合は、耐力壁の追加や筋交いの補強、金物の強化、基礎の増設・補修などが中心的な工法になります。

工法ごとに、工期やコスト、室内側の仕上げへの影響、外観の変化などが異なるため、「どこまで生活しながら工事を行えるか」「店舗兼住宅か」「二世帯化するか」といった暮らし方の条件も踏まえて選ぶことが重要です。株式会社四方継では、住宅だけでなく店舗リノベーションの事例も多く、意匠性と構造安全性の両立を求められる現場で、こうした工法選定のノウハウを蓄積しています。

制震・免震との組み合わせという選択肢

耐震リノベの選択肢として、制震補強や免震補強を組み合わせることで、揺れそのものを低減する工法もあります。制震補強は、ダンパーなどの装置を設置し、地震エネルギーを吸収して、建物の揺れや損傷を抑える方法です。免震補強は、建物と地盤の間に免震装置を入れ、地震力の入力自体を抑えるもので、主に中大規模建物や新築・大規模改修で検討されます。

戸建て木造住宅のリノベーションでは、コストや工事規模の観点から、耐震補強をベースにしながら、一部に制震ダンパーを採用して揺れを軽減するケースが現実的な選択肢となります。制震ダンパーには金属系・オイル系・ゴム系などさまざまなタイプがあり、設置位置や数量に応じて効果やコストが変わるため、設計段階でシミュレーションを行うことが望ましいとされています。

どの耐震補強工法を選ぶべきかの建築的な基準とは?

最も大事なのは、「どの工法が一番強いか」ではなく、「その建物の弱点と暮らし方に、一番フィットする工法はどれか」という視点で選ぶことです。建築的な基準としては、少なくとも次のようなポイントを押さえる必要があります。

  • 現状の耐震評点(数値)と、目標とする評点
  • 壁量・壁のバランス・接合部・基礎の状態
  • 敷地条件(増設スペースの有無、足場の取りやすさなど)
  • 生活しながら工事を行うか、一時的に仮住まいを利用するか
  • インテリア・外観デザインへの影響許容度
  • 予算・工期・補助金の活用可能性

これらを総合して、必要に応じて複数の工法を組み合わせるのがプロとしての基本スタンスです。株式会社四方継のように、木造軸組工法や金物工法を扱い、注文住宅とリノベーションの両方に実績のある会社であれば、構造と意匠のバランスを取った提案がしやすくなります。


耐震補強工法の選定基準は?リノベーションの判断軸を建築のプロが解説

結論として、耐震補強工法の選定基準は「安全性」「暮らしやすさ」「コスト」「工期」「将来価値」の5つを軸に、建物の診断結果を踏まえてバランスよく決めるべきです。一言で言うと、「どこまで耐震性能を高めるか」と「どこまで暮らしを変えるか」の両方を同時にデザインするのが耐震リノベです。建築のプロとしては、数字だけでなく、家族構成やライフプランまで含めた総合的な判断をおすすめしています。

安全性の基準:どこまで耐震性能を高めるべきか

初心者がまず押さえるべき点は、「耐震評点1.0が最低ライン、1.5以上が推奨ライン」とされることが多いという目安です。これは、地震時に「倒壊しない」と判断される性能水準であり、命を守るうえでの重要な指標となります。ただし、建物の形状や地盤条件、過去の増改築の状況などによって必要な補強量は変わるため、専門家による診断とシミュレーションが欠かせません。

株式会社四方継が目指す「性能向上リフォーム」では、単に1.0を超えるだけでなく、将来の地震リスクや長期居住を見据えて1.25〜1.5程度を目標とするケースもあります。特に二世帯化や長期資産として住み継ぐ計画がある場合には、少し余裕のある性能を確保しておくことが望ましいと考えています。

暮らしやすさ・デザインとのバランス

耐震リノベでよくあるお悩みの一つが、「耐震補強をすると間取りの自由度やデザインが制限されるのではないか」という点です。一言で言うと、「計画の初期段階から構造と意匠を同時に検討すれば、両立の余地は大きい」というのが実務経験からの結論です。例えば、耐力壁を収納やニッチ、造作家具と一体化させることで、補強と使い勝手を両立させる設計も可能です。

また、窓の位置や大開口の取り方を工夫することで、構造的なバランスを保ちながら、明るく開放的なリビングを実現することもできます。株式会社四方継のように店舗設計やデザインリノベーションの実績を持つ会社であれば、耐震補強をデザインの一部として見せる手法にも柔軟に対応できます。

コスト・工期・補助金の考え方

耐震リノベのコストは、建物の規模や劣化状況、目標性能、選ぶ工法によって大きく変わりますが、木造住宅では100〜150万円台を一つの目安として紹介している情報もあります。ただしこれはあくまで一般論であり、実際の計画では耐震補強と同時に断熱改修や設備更新を行うケースが多いため、トータルでは数百万円規模になることも少なくありません。

工期についても、部分的な補強であれば数週間、大規模なスケルトンリノベーションと組み合わせる場合には数カ月単位の計画になります。自治体によっては耐震診断・耐震改修に対する補助金制度が用意されていることも多く、条件を満たせば費用負担を軽減できる可能性があります。こうした制度の活用も含めて、早めに相談し、資金計画と工程を組み立てることが重要です。


株式会社四方継が考える耐震リノベーションの価値

私たちは、耐震リノベーションを単なる「補強工事」として捉えるのではなく、住まいの価値を総合的に高める機会だと考えています。構造的な安全性の向上はもちろん、断熱性能や省エネ性能の改善、間取りの最適化、デザインの刷新など、暮らしの質を多面的に向上させることができるのが耐震リノベの魅力です。

特に築年数が経過した木造住宅の場合、耐震性能だけでなく、断熱性や気密性にも課題を抱えているケースが多く見られます。こうした複合的な課題を一度のリノベーションで解決することで、光熱費の削減や住み心地の向上といった実感できるメリットも得られます。

また、将来の資産価値という観点からも、耐震性能を明確に担保しておくことは重要です。中古住宅市場においても、耐震性能が客観的に評価できる物件は、買い手からの信頼を得やすくなります。長期優良住宅化リフォームなどの認定を取得すれば、税制優遇や補助金の対象となる可能性も広がります。


よくある質問

Q1. リノベーションと耐震リノベは同時にやるべきですか?

A. 同時に行う方が効率的で、コストと工期を抑えやすいためおすすめです。内装解体のタイミングで構造部分にアクセスできるため、合理的に補強工事を進められます。

Q2. 木造住宅の耐震リノベはどれくらいの費用がかかりますか?

A. 建物条件によりますが、耐震補強単体で100〜150万円台が一つの目安とされることがあります。ただし、断熱改修や設備更新を同時に行う場合は、トータルで数百万円規模になることもあります。

Q3. 旧耐震(1981年以前)の家は必ず耐震リノベが必要ですか?

A. 多くの場合で検討が望ましいですが、必要性や優先度は耐震診断の結果に基づいて判断します。まずは専門家による診断を受けることをおすすめします。

Q4. 耐震補強工法はどのように選べばよいですか?

A. 建物の弱点・目標性能・暮らし方・予算・工期を総合的に見て、複数工法を組み合わせて選ぶのが基本です。専門家と相談しながら、最適なプランを見つけることが大切です。

Q5. 制震ダンパーや免震工法は戸建てリノベでも有効ですか?

A. 制震ダンパーはコストとのバランスを見ながら戸建てリノベでも有効です。免震は規模や条件により限定的な選択肢となりますが、大規模改修の際には検討の余地があります。

Q6. 耐震リノベの際に確認すべき耐震基準は何ですか?

A. 少なくとも新耐震基準(1981年)と2000年基準を把握し、自宅がどの基準で設計されているかを確認することが重要です。築年数から大まかな目安を知ることができます。

Q7. 建築会社はどのように選べばよいですか?

A. リノベーションと性能向上リフォームの実績があり、地域の木造住宅に詳しい会社を選ぶことをおすすめします。構造と意匠の両面に精通した会社であれば、より満足度の高い提案が期待できます。

Q8. 耐震リノベーションの工期はどのくらいかかりますか?

A. 部分的な補強であれば数週間程度、スケルトンリノベーションと組み合わせる場合は数カ月単位となります。工事内容や規模により異なるため、計画段階で詳細なスケジュールを確認することが重要です。

Q9. 住みながらの耐震リノベは可能ですか?

A. 工事内容や規模によっては可能ですが、大規模な補強を伴う場合は仮住まいをおすすめするケースもあります。生活への影響を最小限に抑える工夫も含めて、施工会社と相談してください。

Q10. 耐震補強をしたことを証明できますか?

A. 耐震診断書や補強計画書、完了検査の記録などを保管しておくことで、将来的に売却や相続の際にも耐震性能を証明できます。書類の管理についても施工会社に確認しましょう。


まとめ

リノベーションで耐震リノベを成功させるには、耐震診断を起点に、目標性能と暮らし方を明確にしてから工法を選定することが重要です。耐震補強工法は「壁・骨組みの補強」「制震・免震」「重量低減」などを組み合わせ、建物条件と予算に合わせて最適化する必要があります。

旧耐震・新耐震・2000年基準の違いを理解し、自宅の設計時期と現状の耐震性能を踏まえて、将来の暮らしと資産価値を見据えた耐震リノベを検討することが、建築のプロとしておすすめしたい判断軸です。

株式会社四方継では、お客様一人ひとりの暮らし方やライフプランに寄り添いながら、構造的な安全性とデザイン性を両立したリノベーションをご提案しています。耐震リノベについてのご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。住まいの安全と快適さを、長期にわたって支えるパートナーとして、誠心誠意サポートいたします。


株式会社四方継について

私たちは、注文住宅・性能向上リフォーム・リノベーションを一体で手がける建築会社として、地域の皆様の暮らしをサポートしています。木造軸組工法や金物工法を得意とし、構造的な安全性とデザイン性を両立した住まいづくりを追求しています。住宅だけでなく店舗リノベーションの実績も豊富で、意匠性と機能性の両面から最適なご提案をいたします。

耐震リノベーションをはじめ、住まいに関するご相談は、株式会社四方継までお気軽にお問い合わせください。

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株式会社四方継(しほうつぎ)
おもな事業:建築 × 地域活性化

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