注文住宅の断熱効果を高める樹脂サッシ:建築費用における値段は?

高気密高断熱な注文住宅には必須!樹脂サッシの機能性と建築コストに含まれる値段は?

注文住宅で高気密・高断熱を目指すなら、樹脂サッシはほぼ必須の設備です。アルミサッシに比べて断熱性能が大幅に高く、その分だけ建築費用も窓1カ所あたり数万円規模で上がるものの、光熱費削減と快適性の向上で十分に元が取れる投資といえます。

株式会社四方継では、長年にわたり高性能住宅の建築に携わってきた経験から、樹脂サッシの重要性を実感しています。本記事では、樹脂サッシの機能性と建築コストについて、詳しく解説いたします。


この記事のポイント

  • 樹脂サッシはアルミやアルミ樹脂複合サッシよりも断熱性能が高く、高気密高断熱の注文住宅には最優先で検討すべき窓です
  • 建築費用では、樹脂サッシはアルミサッシの約2倍、アルミ樹脂複合サッシの約1.5倍が一般的な価格イメージで、窓1カ所あたり数万円の差が出ます
  • 光熱費削減と結露・カビ対策、快適性向上まで含めて考えると、長期的には樹脂サッシの採用がトータルコストを抑えやすい選択になります

この記事の結論

  • 樹脂サッシは注文住宅で断熱性能を高める最重要パーツです
  • 一言で言うと「初期費用は高いが、快適性と光熱費で取り返せる窓」です
  • アルミサッシよりも断熱性能は約2~3倍良く、結露にも強いのが特徴です
  • 建築費用としては、窓1カ所あたり数万円、住宅全体で数十万円のアップが目安です
  • 高気密高断熱を目指すなら、断熱材より先に「窓・樹脂サッシ」を優先的に検討すべきです

注文住宅と断熱に樹脂サッシが欠かせない理由

樹脂サッシとは何か?基本性能を整理

結論から言うと、樹脂サッシは「熱を通しにくい樹脂(PVC)でできた窓枠」で、断熱に非常に有利な建材です。

アルミに比べて熱伝導率が約1/1000と低く、窓からの熱の出入りを大きく抑えることができます。標準的な樹脂サッシのU値(熱貫流率)は約1.3 W/㎡K前後で、アルミサッシの約3.0 W/㎡Kと比べて2倍以上の断熱性能を持ちます。

株式会社四方継では、お客様の住まいの性能を最大限に高めるため、樹脂サッシの採用を積極的にご提案しています。実際の施工現場では、樹脂サッシの取り付けによって、外断熱負荷が大幅に軽減され、外部囲いの断熱性能が飛躍的に向上することを実感しています。

なぜ注文住宅の断熱は「窓」がカギなのか

一言で言うと、家の熱は壁ではなく「窓」から逃げる割合が大きいからです。

一般的な住宅では、冬場に室内の熱が逃げる箇所のうち、約6割前後が窓・サッシ部分と言われています。そのため、壁の断熱材を厚くするよりも、断熱性能の高い樹脂サッシと高性能ガラスを採用した方が、体感温度と光熱費に直結する効果を得やすくなります。

私たちが手がける高気密高断熱住宅では、窓の性能が住まい全体の快適性を左右する重要な要素となります。特に寒冷地や寒暖差の激しい地域では、窓の断熱性能が生活の質に直結するため、樹脂サッシの採用は必須と考えています。

アルミ・複合サッシと樹脂サッシの性能差

結論として、断熱性能だけを見ると「樹脂サッシ > アルミ樹脂複合サッシ > アルミサッシ」という序列になります。

樹脂サッシは内外ともに樹脂で構成されるため、外気の冷たさや暑さが室内側に伝わりにくく、窓枠自体の表面温度が安定しやすい特徴があります。

アルミ樹脂複合サッシは室内側が樹脂、室外側がアルミという構成で、オール樹脂より断熱性はやや劣るものの、価格と性能のバランスに優れた選択肢です。

当社の施工実績では、樹脂サッシとトリプルガラスを組み合わせることで、熱貫流率0.79 W/㎡Kという極めて高い断熱性能を実現した事例もあります。このような高性能な窓仕様により、冬場の暖房負荷を大幅に削減し、室内環境の快適性を格段に向上させることができます。


樹脂サッシの値段は?注文住宅の建築費用への影響

樹脂サッシの一般的な価格相場

結論から言うと、オール樹脂サッシは、同サイズのアルミサッシの約2倍、アルミ樹脂複合サッシの約1.5倍程度の価格になるのが一般的な目安です。

リフォーム用の参考価格では、樹脂サッシ1カ所の交換で約8万~60万円程度とされており、窓サイズやガラス性能によって大きく変動します。例えば大開口の掃き出し窓では、ペアガラスのアルミ樹脂複合サッシとトリプルガラスの樹脂サッシとで、1カ所あたり数万円以上の差額が生じるケースもあります。

建築費用における「窓の値段」の考え方

一言で言うと、「窓の仕様」は建築費に大きく影響するものの、総額の中ではまだコントロールしやすい部位です。

注文住宅の場合、窓の本数やサイズにもよりますが、オール樹脂サッシと高性能ガラスを全体に採用すると、アルミサッシ仕様に比べて住宅1棟あたり数十万円単位のアップが目安になります。

ただし、断熱等級を高めて省エネ基準やゼロエネ住宅を満たす場合、補助金を活用できるケースもあり、実質的な差額負担はさらに小さくなる場合があります。

株式会社四方継では、お客様のご予算とご要望に応じて、最適な窓仕様をご提案しています。初期投資としては確かに高額に感じられるかもしれませんが、長期的な視点で見れば、光熱費の削減やメンテナンスコストの低減により、十分に投資回収が可能です。

樹脂サッシの建築コストとランニングコストのバランス

最も大事なのは、「初期費用」と「光熱費・メンテナンス費」のバランスをトータルで見ることです。

高断熱の樹脂サッシと高性能ガラスを組み合わせることで、暖冷房のエネルギー消費を抑えられ、長期的には電気代・ガス代の削減に大きく貢献します。

また、窓周りの結露が減ることで、木枠やクロスの劣化・カビ発生のリスクも減り、内装のメンテナンスコスト面でも有利になります。

当社で手がけた住宅では、樹脂サッシの採用により、冬場の暖房費が従来のアルミサッシ住宅と比較して30~40%削減されたという事例も報告されています。これは年間で数万円から十数万円の節約につながり、10年、20年という長期スパンで考えれば、初期投資を大きく上回る経済的メリットが得られます。


樹脂サッシ・アルミ樹脂複合・アルミサッシの違い

各サッシ種別の特徴

サッシの種類断熱性能の目安価格の目安主な特徴
アルミサッシU値約3.0 W/㎡K前後が一般的最も安価な選択肢強度が高く軽量だが、冬場は冷たく結露しやすい
アルミ樹脂複合サッシアルミより断熱性能が高い中間グレードアルミより高く、樹脂よりやや安いことが多い室内側が樹脂で結露をある程度抑えつつ、外側のアルミで強度と意匠性を確保
樹脂サッシU値約1.3 W/㎡K、組み合わせ次第でUw値1.0以下も可能アルミの約2倍、複合サッシの約1.5倍が目安断熱性と結露対策に最も優れ、高気密高断熱住宅向き

結露・カビ対策としての樹脂サッシ

結論として、冬場の結露対策には樹脂サッシが最も有効です。

樹脂は熱を通しにくいため、窓枠の表面温度が下がりにくく、室内の湿気が冷やされて水滴になる「結露」が起こりにくくなります。結露を抑えることで、カビやダニの発生リスクを減らし、アレルギー対策や建物の耐久性向上にもつながります。

株式会社四方継が施工した住宅では、樹脂サッシを採用することで、従来アルミサッシで悩まされていた冬場の結露問題がほぼ完全に解消されたという声を多くのお客様からいただいています。特に小さなお子様やアレルギー体質の方がいらっしゃるご家庭では、この結露対策効果が住環境の改善に大きく貢献しています。

デザイン性・メンテナンス性の違い

一言で言うと、「意匠性はアルミ、断熱性は樹脂」が基本的な傾向です。

アルミサッシや複合サッシは、スリムなフレームでガラス面積を広く取りやすく、色や意匠のバリエーションも豊富です。樹脂サッシはフレームがやや太くなる傾向がありますが、近年はデザイン性が改良されており、木目調などの意匠バリエーションも増えています。

当社では、お客様のデザインへのこだわりと性能要求のバランスを考慮し、部屋ごとに最適なサッシを選定するご提案も行っています。例えば、リビングなどデザイン性を重視したい空間ではスリムフレームの高性能複合サッシを、寝室や子供部屋など快適性を最優先する空間では樹脂サッシを採用するといった工夫も可能です。


株式会社四方継が考える樹脂サッシの価値

長期優良住宅への対応

株式会社四方継では、長期優良住宅の認定取得を視野に入れた住宅づくりを推進しています。樹脂サッシは、長期優良住宅の要件である高い断熱性能を実現するための重要な要素です。

長期優良住宅は、耐久性、維持管理のしやすさ、省エネルギー性など、様々な基準をクリアする必要がありますが、その中でも断熱性能は特に重要な項目です。樹脂サッシを採用することで、これらの基準を満たしやすくなり、税制優遇や補助金の対象となる可能性も高まります。

実際の施工事例から見る効果

私たちが手がけた城西町の新築現場では、樹脂サッシの取り付けを進め、外断熱負荷断熱も完了しました。採用した窓の熱貫流率は0.79 W/㎡Kというトリプルガラスの高性能仕様で、これにより外部囲いの断熱性能が飛躍的に向上しています。

このような高性能な窓仕様により、冬場でも窓際で寒さを感じることがほとんどなく、室内全体が均一な温度で保たれる快適な住環境を実現できました。お客様からは「以前の住まいでは窓際が寒くてカーテンを閉め切っていたが、新しい家では窓辺でも快適に過ごせる」というお声をいただいています。

地域特性に応じた提案

日本は南北に長く、地域によって気候条件が大きく異なります。株式会社四方継では、それぞれの地域特性に応じた最適な窓仕様をご提案しています。

寒冷地では、トリプルガラスと樹脂サッシの組み合わせによる最高レベルの断熱性能が求められます。一方、温暖な地域でも、夏場の遮熱性能や冷房効率を考慮すると、樹脂サッシのメリットは十分にあります。

また、台風や強風が多い地域では、耐風圧性能も重要な選定基準となります。樹脂サッシは強度面でアルミに劣ると思われがちですが、現代の樹脂サッシは十分な強度を備えており、適切な製品選定により、どのような地域でも安心してご使用いただけます。


よくある質問

Q1. 注文住宅で樹脂サッシは本当に必要ですか?

高気密高断熱を目指すなら必要性は高く、窓からの熱損失を大きく減らせるためです。株式会社四方継では、お客様の快適性と省エネ性を両立させるため、樹脂サッシの採用を強くお勧めしています。

Q2. 樹脂サッシとアルミサッシの値段差はどれくらいですか?

一般的に樹脂サッシはアルミサッシの約2倍、アルミ樹脂複合サッシの約1.5倍程度が目安です。ただし、長期的な光熱費削減効果を考慮すると、十分に投資価値があります。

Q3. 樹脂サッシにするとどのくらい断熱性が上がりますか?

標準的な樹脂サッシはU値約1.3 W/㎡Kで、U値約3.0 W/㎡K前後のアルミサッシに比べて2倍以上の断熱性能があります。トリプルガラスと組み合わせることで、さらに高い性能を実現できます。

Q4. 樹脂サッシは結露に強いのですか?

はい、樹脂は熱を通しにくく窓枠が冷えにくいため、アルミに比べて結露が発生しにくいです。これにより、カビやダニの発生リスクも大幅に軽減されます。

Q5. 樹脂サッシのリフォーム費用相場は?

内窓追加で1カ所あたり約8~15万円、窓ごと交換で約25~60万円が一般的な相場です。既存住宅の断熱改修にも効果的です。

Q6. 樹脂サッシとトリプルガラスを組み合わせるメリットは?

Uw値1.0 W/㎡K以下も目指せるほど高断熱になり、暖冷房費削減と窓際の寒さ・暑さの軽減に大きく貢献します。当社の施工事例では、0.79 W/㎡Kという極めて高い性能を実現しています。

Q7. 予算が限られる場合、どの窓から樹脂サッシを優先すべき?

北側・西側や大開口の窓、リビング・寝室など滞在時間の長い部屋の窓から優先すると効果を実感しやすいです。当社では、お客様のご予算に応じて優先順位をご提案いたします。

Q8. 樹脂サッシのメンテナンスは大変ですか?

樹脂サッシは特別なメンテナンスをほとんど必要としません。定期的な清掃と開閉部分への注油程度で、長期間にわたって性能を維持できます。


まとめ

樹脂サッシは、注文住宅で断熱性能を高めるうえで最優先で検討すべき窓であり、アルミサッシに比べて2倍以上の断熱性能を持ちます。

建築費用はアルミに比べて窓1カ所あたり数万円、住宅全体で数十万円のアップが目安ですが、光熱費削減や快適性の向上で十分に回収可能です。

結露・カビ対策、防音性、室内環境の安定といったメリットも大きく、長期的なトータルコストと暮らしの質を考えると、樹脂サッシの採用は合理的な選択です。

株式会社四方継は、長年の施工実績と技術力を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルやご予算に合わせた最適な住宅づくりをご提案いたします。高気密高断熱住宅にご興味のある方、樹脂サッシの採用を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

私たちは、単に性能の高い家を建てるだけでなく、そこで暮らすご家族の笑顔と快適な生活を実現することを最優先に考えています。樹脂サッシは、そのための重要な第一歩です。


株式会社四方継について

株式会社四方継は、高気密高断熱住宅の設計・施工を専門とする建築会社です。お客様の快適な暮らしを実現するため、最新の建築技術と確かな施工品質でご要望にお応えします。注文住宅の新築からリフォームまで、住まいに関するあらゆるご相談を承っております。

お問い合わせ・ご相談は、お電話またはホームページからお気軽にどうぞ。


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