注文住宅における断熱と気密の重要性：C値の測定方法と建築の専門家によるFAQ
この記事のポイント
・断熱と気密は「快適でエネルギー効率の高い住まい」を支える基礎性能です。
・C値（すき間相当面積）は、家全体の気密性能を数値で表す重要な指標です。
・専門的な測定と施工管理により、長持ちする高性能住宅を実現できます。
この記事の結論
- 注文住宅では「断熱」と「気密（C値）」が住宅性能を決定づける。
- C値が低いほど冷暖房効率が高く、省エネ性と快適性が向上する。
- 正確なC値は専門業者による測定で確認する必要がある。
- 設計段階から断熱・気密を一体で考えることが重要。
- 住まい手の健康・光熱費・資産価値すべてに直結する。
注文住宅と断熱：なぜ重要なのか
断熱とは？基本の仕組み
断熱とは「熱の移動を防ぐ技術」です。外気温の影響を抑えて、室内の温度を一定に保ちます。断熱がしっかりしている家は、冬は暖かく夏は涼しい。これが”年中快適”の基本です。
一言で言うと、断熱性能が高い家ほど「光熱費がかからず、健康的に暮らせる家」です。
断熱性能が暮らしに与える影響
断熱は単に快適性を生むだけでなく、「健康維持」や「家の耐久性」にも直結します。
たとえば、断熱不足の住宅では冬のヒートショック（急激な温度変化）発生リスクが高まり、結露によるカビや木材の劣化も進みやすくなります。
一方、高断熱住宅は室温差を小さく保ち、家の構造材を守ります。結果的に住宅寿命が延び、メンテナンスコストも抑えられます。
断熱材の種類と特徴
代表的な断熱材には以下のような種類があります。
| 断熱材 | 特徴 | 適した場所 |
|---|---|---|
| グラスウール | コストパフォーマンスが良い・施工性が高い | 壁・天井 |
| 吹付ウレタンフォーム | 高気密・高断熱・隙間が生じにくい | 壁・屋根 |
| セルロースファイバー | 調湿性が高くエコ素材 | 壁・屋根 |
選定のポイントは「性能値＋施工精度」です。どの断熱材を使うか以上に、どのように施工されるかが住宅性能の決め手になります。
C値とは？建築における気密性能の数値化
C値の定義と計算方法
C値（すき間相当面積）とは「住宅にどれだけのすき間があるか」を示す数値で、単位は cm²/m² です。家全体の延床面積1㎡あたりに、どれだけのすき間（空気漏れ）があるかを示します。
計算式は以下の通りです：
C値 = 住宅全体のすき間面積 ÷ 延べ床面積
数値が小さいほど気密性が高く、エネルギーロスが少ない家になります。
C値の基準値と目標値
日本の一般的なC値基準は以下の通りです。
| 住宅のタイプ | 目安となるC値 |
|---|---|
| 一般的な住宅 | 5.0以下 |
| 高性能住宅（ZEHクラス） | 1.0以下 |
| パッシブハウス基準 | 0.3以下 |
株式会社四方継では、全棟で気密測定を実施し、C値0.5以下を基準に施工品質を管理しています。
気密性能を高める3つの施工ポイント
- 断熱材の隙間をなくす施工精度
断熱材の継ぎ目や隅部分まで丁寧に施工し、わずかなすき間も残さない技術が求められます。 - サッシや配管周囲の気密テープ処理
窓枠や給排水管の貫通部分は気密性が低下しやすいポイントです。専用の気密テープで確実に処理します。 - 現場ごとの気密測定による品質保証
施工完了後に必ず気密測定を行い、数値で品質を確認します。
これらを徹底することで、長期的に性能を維持できる”本当の高気密住宅”が完成します。
断熱と気密が両立する施工プロセスとは？
設計段階からの省エネ設計
最も大事なのは「設計段階から断熱と気密をセットで考えること」です。図面上の小さなすき間や継ぎ目が、施工後に大きなエネルギーロスとなることがあります。
そのため、四方継では建築士と大工が連携し、C値を意識した構造計画を行います。配管ルートや電気配線の計画段階から、気密ラインを確保する設計を心がけています。
施工で重視するチェックポイント
施工中に特に注意すべき点は以下の3点です。
- コンセント周囲の気密処理
電気配線のために開けた穴から空気が漏れやすいため、専用の気密ボックスを使用します。 - サッシ枠の防水・気密仕上げ
窓枠と構造体の取り合い部分は、防水テープと気密テープを適切に施工します。 - 天井・床下の断熱ラインの連続性
断熱材が途切れる部分がないよう、天井から壁、床下まで一体的に断熱ラインを確保します。
これらの細部がC値に大きく影響するため、現場ごとに詳細な施工マニュアルを運用しています。
実測データによる品質保証
気密測定は、施工完了後に「専用ファンで室内外の気圧差を作り、漏気量を測定」する方法で実施します。測定結果は全棟記録・公開し、お客様に”見える品質”として説明しています。
実例では、C値0.4を達成した神戸市西区の注文住宅で、冬場もエアコン1台で室温20℃を維持できました。光熱費も従来の住宅と比較して約40%削減を実現しています。
高気密住宅で快適に暮らすための換気システム
計画換気の重要性
高気密住宅では、適切な換気システムが不可欠です。気密性が高いということは、自然に空気が入れ替わりにくいということでもあります。そのため、計画的に新鮮な空気を取り入れる換気システムを設置します。
四方継では、全棟に24時間換気システムを標準装備しています。これにより、室内の空気を常に清潔に保ちながら、高い断熱・気密性能を活かした省エネ性を実現しています。
熱交換型換気システムのメリット
熱交換型換気システムは、排気する空気の熱を回収し、取り入れる新鮮な空気に熱を移します。これにより、換気による熱損失を最小限に抑えることができます。
冬は暖房した空気の熱を回収し、夏は冷房した空気の冷たさを保ちます。結果として、快適性を維持しながら冷暖房コストをさらに削減できます。
よくある質問（FAQ）
Q1. C値が悪いとどんな影響がありますか？
→ 冷暖房が効きにくく、光熱費が高くなります。また、すき間風による不快感や、壁内結露のリスクも高まります。
Q2. 断熱と気密、どちらを優先すべき？
→ 両方同等に大切です。どちらかが欠けると性能を最大化できません。断熱材をしっかり入れても、すき間があれば効果は半減します。
Q3. C値は自分で測れますか？
→ 専用機器と資格が必要なため、専門業者が行います。正確な測定には専門知識と経験が必要です。
Q4. 測定はいつ行うのがベスト？
→ 断熱・サッシ施工後、内装仕上げ前の段階です。この時期に測定することで、問題があれば補修が可能です。
Q5. 高気密住宅は息苦しいと言われますが本当？
→ 誤解です。計画換気システムで常に新鮮な空気を入れ替えます。むしろ、適切な換気により快適な空気環境を保てます。
Q6. 高断熱住宅のデメリットは？
→ 初期費用が高くなる可能性がありますが、光熱費削減で長期的に回収可能です。また、住宅の資産価値も高く維持できます。
Q7. 四方継のC値基準は？
→ 平均0.5以下を実現しています。全棟で気密測定を実施し、品質を保証しています。
Q8. 既存住宅の断熱改修は可能ですか？
→ 可能です。壁や天井、床下の断熱材追加や、サッシの交換により、大幅な性能向上が期待できます。
まとめ
注文住宅では「断熱」と「気密（C値）」の両立が最重要です。C値は住宅のすき間を示す数値で、低いほど高性能な住宅となります。
高断熱・高気密により、光熱費削減・健康維持・住宅寿命延長を実現できます。株式会社四方継では、C値0.5以下を目標とした測定・施工体制を確立しています。
設計から施工、測定まで一貫管理で「受け継がれる家」を提供しています。住まいの性能にこだわり、お客様の健康で快適な暮らしを長期にわたって支える住宅づくりを、これからも追求してまいります。
高気密・高断熱住宅に関するご相談は、ぜひ株式会社四方継までお気軽にお問い合わせください。
断熱性能についてのご相談や、実際の施工事例の見学など、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、皆様の理想の住まいづくりをサポートいたします。
【関連記事】
注文住宅で知っておくべき建築の基本！耐震等級3の性能が満たすべき基準とは?
注文住宅の断熱性能を測る！建築専門家が解説するUA値と断熱の仕組みとは？
―― 会社情報 ――
株式会社四方継（しほうつぎ）
おもな事業：建築 × 地域活性化
登録番号
・兵庫県知事許可［般-3］第113647号
・建築士事務所登録［二級］第02A02681号
・住宅性能保証制度登録 第21016945号
所在地
〒651-2111
兵庫県神戸市西区池上3-6-7
SUMIRE.COmplex 2F（Office）
【アクセス】
・神戸市営地下鉄「伊川谷駅」／JR神戸線「明石駅」より神姫バス
─ バス停「伊川谷連絡所前」徒歩5分
─ バス停「上脇」徒歩3分
お問い合わせ
フリーダイヤル：0120-528-430
代表電話：078-976-1430
FAX：078-976-1436
営業時間：9:00〜18:00
定休日：水曜日
つむぎ建築舎
公式サイト：https://tumugi.sihoutugi.com
ブログ：https://sumireco.co.jp/blog/sumirenikki/category/tumugidesignroom/tumugi-constructionandplanning/
Instagram：https://www.instagram.com/tumugi_works/
Facebook：https://www.facebook.com/sumire430
つない堂
公式サイト：https://tunaido.sihoutugi.com
ブログ：https://sumireco.co.jp/blog/sumirenikki/category/tumugidesignroom/tunaido