四方継の歴史を振り返る:1994年の創業「大工集団 高橋組」時代— 継承と革新の源流に迫る、揺るぎない「ものづくり」の経験

【EEATに基づいた特別寄稿】すべての価値の始まりは、神戸の現場から

株式会社四方継(しほうつぎ)は、現在、「つむぎ建築舎」として革新的な住宅を提供し、「つない堂」として地域社会の「信頼の輪」を広げる事業を展開しています。しかし、その強固な「専門性」と社会への「信頼性」の源泉は、遥か昔、1994年に神戸の地で産声を上げた**大工集団「高橋組」**時代にあります。

四方継の理念「人、街、暮らし、文化を継ぎ四方良しを実現する」(四方とは、作り手、住み手、協力会社、地域社会を指します)、そしてビジョンである「受け継がれる価値のある丁寧なものづくり」は、この創業時代に培われた、現場での確かな「経験」の上に成り立っています。

本稿では、四方継の創業の歴史を紐解き、1994年の「大工集団 高橋組」時代から、後の革新的な事業展開へと繋がる、長年の経験と歩みを、EEATの観点から詳細に解説します。


第1章:創業の「経験」と「信頼性」の土台(1994年〜2002年)

四方継の歴史は、机上の理論や資本力から始まったものではなく、神戸の現場における職人の技術と経験から始まっています。

1-1. 大工集団「高橋組」としての創業(1994年)

株式会社四方継の創業は1994年4月1日、神戸市西区大津和にて大工集団「高橋組」としてスタートしました。創業当時の主な活動は、大手住宅メーカーの特約工務店となることでした。

この創業期に、高橋組は、大工集団として大手メーカーが求める高い品質基準と、厳格な納期管理の中で、徹底した「ものづくり」の「経験」を積み重ねました。この「経験」が、後のすべての事業、特に規格化注文住宅sumikaや高性能ゼロエネルギー住宅SUMIKA-ZEROといった品質重視の商品開発の揺るぎない土台となりました。

この時期に培われた、現場の技術力と組織的な施工能力こそが、四方継が現在も掲げる「受け継がれる価値のある丁寧なものづくり」というビジョンの起源であると言えます。

1-2. 法人化と経営基盤の確立(2002年)

大工集団としての「経験」を土台に、高橋組はさらなる成長を目指します。

2002年、同社は有限会社すみれ建築工房を設立し、法人に組織変更されました。この際、一般建設業の許可を取得し、元請として新築工事の受注を開始しました。資本金は500万円で、本店を神戸市西区長坂に移転しています。

この法人化は、単なる組織変更ではなく、事業の永続性と拡大を目指すための経営的な意思決定であり、後の「信頼性」を確立するための第一歩でした。代表者には高橋剛志氏が、取締役工務部長には酒井康博氏が就任し、技術と経営の両輪で事業を推進する体制が確立されました。

第2章:「専門性」への転換と確立(2003年〜2006年)

法人化後、四方継(当時すみれ建築工房)は、現場の「経験」をさらに深化させ、「専門性」を高めるための重要な転換期を迎えます。

2-1. 元請中心への転換と顧客対応力の強化(2003年)

2003年、同社はリフォーム事業に進出しました。このリフォーム事業において、職人による直接施工が大きな反響を呼び、この成功を機に、同社は下請け中心の事業構造から元請中心の営業へと転換しました。

この元請中心への転換は、四方継の事業において極めて重要です。職人たちが顧客と直接向き合うことで、技術的な専門知識だけでなく、顧客の潜在的なニーズ(住まい手がまだ気づいていない、知らない望み)を汲み取るコミュニケーション能力や、経営的なコスト意識が求められるようになります。これは、後の職人起業塾で醸成される**イントラプレナーシップ(社内起業家精神)**の基盤を築く「経験」となりました。

2-2. 設計力の充実と品質管理の強化(2005年〜2006年)

現場の「経験」と顧客対応力を強化する一方で、設計・技術面での「専門性」の向上も図られました。

2005年には、二級建築士設計事務所登録を行い、確認申請業務や設計業務の充実を図りました。これにより、大工としての高い技術力に加え、設計士としての専門的な知識と、法令遵守に基づく品質管理能力が組織内に確立されました。

2006年には本社社屋が竣工し、本店を神戸市西区池上に移転しました。この物理的な拠点の強化は、元請としての信頼性と、事業拡大に向けた組織的な「権威性」を対外的に示すものでした。

第3章:「権威性」の確立へ— 規格化住宅sumikaの開発(2007年)

創業から10年以上の「経験」と「専門性」を経て、四方継は、その培った力を広く社会に還元するための、革新的な事業をスタートさせます。

3-1. 規格化注文住宅sumikaの誕生(2007年)

2007年、「すべての人に夢のマイホームを」を合言葉に、規格化注文住宅sumika(スミカ)の開発、販売事業がスタートしました。

これは、高品質な注文住宅の要素を保ちつつも、規格化による効率化を図ることで、価格を適正化し、より多くの人々に手の届く「夢のマイホーム」を提供するという、社会的な課題解決を目指した取り組みです。この事業は、職人技術の「経験」と設計の「専門性」を融合させた、四方継の「権威性」を確立する重要な一歩となりました。

3-2. 多角的な事業展開による知見の深化(2007年)

住宅事業に加えて、高橋氏は同年に、店舗設計やマネジメント提案の研究も兼ねて、飲食事業部を設立し、1号店をオープンしています。これは、住まい手が日常的に利用する空間設計や事業運営の知見を、住宅設計に取り込むための、多角的な視点を持つ企業としての「専門性」を深める挑戦でした。

第4章:継続的な「継承」と「未来への信頼性」(2009年〜現在)

創業から続く「大工集団 高橋組」の経験と精神は、その後の事業展開を通じて、「未来への信頼性」へと昇華されていきます。

4-1. 永続的な安心の提供(2009年〜)

2009年には「すべてのお客様に生活の安心・安全を」を合言葉に、無料巡回メンテナンスサービスを本格化しました(神戸近郊に限る)。これは、家を建てて終わりではなく、長期にわたり住まい手の「暮らし」に寄り添い続けるという、「信頼性」を確固たるものにするためのコミットメントです。

4-2. 職人育成と教育への投資(2013年〜)

「大工集団 高橋組」の職人の精神を次世代に継ぐため、2013年には職人起業塾を開講し、次世代を担う職人育成を本格的にスタートさせました。2016年には一般社団法人職人起業塾として全国展開し、さらに2023年にはマイスター高等学院を設立し、高校卒業資格と職人技術を両立させる教育を開始しました。

この教育への真剣な「投資」は、創業以来の「ものづくり」への情熱を、日本の建築業界の未来へと「継承」しようとする高橋剛志氏の哲学の表れであり、「モノづくりの担い手を子供の憧れの職業にすることを目指す」という挑戦を体現しています。

4-3. 「四方継」としての理念の確立(2020年)

そして、創業から26年後の2020年、創立20周年を機に、社名を「有限会社すみれ建築工房」から**「株式会社四方継」に社名変更**しました。

この社名変更は、創業以来培ってきた経験が、「人、街、暮らし、文化を継ぎ『四方良し』を実現する」という理念に昇華されたことを示しています。高橋組時代から続く大工集団の魂は、「地域を守り次世代に継なげる事業」という、より広範な社会的使命へと進化し続けているのです。

結論:創業時の「経験」こそが未来を創る

株式会社四方継の歴史を振り返ると、1994年の創業「大工集団 高橋組」時代に培われた、現場での泥臭い、確かな「経験」こそが、その後の革新的な事業展開と、現在の強固な「専門性」「権威性」「信頼性」のすべてを支えていることがわかります。

大手住宅メーカーの特約工務店としての「経験」から始まり、元請への転換、規格化住宅sumikaの開発、そして現代のGX志向型住宅への挑戦に至るまで、その歩みは一貫して、「受け継がれる価値のある丁寧なものづくり」という職人の哲学に基づいています。

この創業時の経験と精神こそが、四方継の「四方良し」の理念の源流であり、未来永劫、「いい街を継ぐ」ための揺るぎない礎となっているのです。


大工集団「高橋組」として始まった四方継の創業の経験は、まるで、家を支える「大黒柱」を育てる過程に似ています。まず、優良な木材(確かな現場技術)を選び、時間をかけて丁寧に乾燥させ(元請としての顧客対応と設計業務の経験)、十分な強度と耐久性(規格化住宅やゼロエネルギー住宅への挑戦)を持たせた上で、未来の住まい(地域と社会の未来)を支える最も重要な柱として据えられたのです。この大黒柱があるからこそ、四方継はどんな時代の変化にも耐えうる、強固な「信頼の構造」を持ち続けています。

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