【地域からの信頼】しずく学習塾が満席御礼!進級ワークショップ報告と場所拡大への想い

はじめに:地域と共に歩む私たちの使命

神戸市西区で工務店「つむぎ建築舎」と地域活動拠点「つない堂」を運営する私たち株式会社四方継は、「人、街、暮らし、文化を継ぎ、四方良しを実現する」という企業理念のもと、日々活動しています。

四方良しとは、住み手良し、作り手良し、地域社会良し、そして未来良しという4つの「良し」を指します。私たちは単に家を建てるだけでなく、地域の子どもたちが安心して学び、未来に希望を持てる環境づくりにも力を注いでいます。

その活動の中心となっているのが、つない堂が運営する地域学習支援「しずく学習塾」です。この度、進級ワークショップの時期を迎え、地域の皆様から大変大きな反響をいただきました。三年生が卒業したにも関わらず、すぐに新二年生、三年生からの申し込みが殺到し、募集人数がいっぱいになったのです。

この盛況ぶりは、私たちの活動が地域に深く根付き、信頼されている証だと感じています。本記事では、満席御礼の喜びと、今後の展望について詳しくお伝えします。

地域に愛される学習塾へ:満席となった背景

水曜日の授業日に集まる子どもたち

しずく学習塾は毎週水曜日を授業日として、地域の子どもたちの学びをサポートしています。新年度への移行期である進級ワークショップの時期は、例年であれば三年生が卒業し、少し寂しくなるタイミングです。

ところが今年は違いました。卒業生が抜けた直後から、新二年生や三年生からの申し込みが次々と届き、あっという間に募集人数に達したのです。この事実が示すのは、しずく学習塾が単なる勉強の場ではなく、子どもたちにとって安心できる居場所として認識されているということです。

保護者の方々からは「子どもが楽しみにしている」「先生方が親身になってくれる」といった声を多くいただいています。こうした口コミや紹介によって、学習塾の輪が自然と広がっていきました。

卒業パーティーで感じた絆の深さ

2025年3月29日には、テラスを利用してしずく学習塾の卒業パーティーを開催しました。当日は予想通り少し寒い日でしたが、運営スタッフ、ボランティアの方々、卒業生、在校生の総勢18名が集まり、大いに盛り上がりました。

18名という人数は、小さなスペースでのイベントとしては決して少なくありません。子どもたちの笑顔、保護者の方々の安心した表情、そしてボランティアの方々の温かいまなざし。そのすべてが、私たちが目指す「人を繋ぎ、ご縁を紡ぎ、いい街を継ぐ」というビジョンを体現していました。

卒業生たちは新たな門出を迎え、在校生たちはさらに成長していく。こうした循環が生まれていることに、私たちは大きな喜びを感じています。この経験を通じて、地域に貢献することの意義を改めて実感しました。

場所拡大への切実な願い

満席御礼という嬉しいニュースの一方で、私たちは新たな課題にも直面しています。それは、より多くの子どもたちを受け入れるための場所の確保です。

地域からの需要は高まる一方で、現在のスペースでは十分に応えきれない状況です。場所を広げて受け入れ人数を増やしたいという想いは強いのですが、物理的なスペースと運営資源の確保が必要になります。

この課題は、私たちが地域社会のハブとして真に機能しようとしている証でもあります。今後も、質の高い学びの場を提供できるよう、場所拡大に向けた取り組みを続けていく所存です。

運営の裏側:スタッフの奮闘と透明性の確保

年度末の多忙な日々

学習塾の運営は、表に見える活動以上に、裏側での作業が膨大です。特に年度末から新年度にかけては、スタッフ一同が文字通り「てんやわんや」の状況に置かれます。

2025年4月頃は特に多忙でした。年度末の助成金報告、新入社員の対応、学習塾の新年度準備とお引越し、そして2025年度の助成金申請。これらの業務が同時期に集中し、スタッフは連日遅くまで働いていました。

お引越しという大きなイベントでは、担当スタッフが「胃が痛い」と感じるほどのプレッシャーを抱えながらも、「今の自分の全力を出し切れ」という強い決意のもと、無事に完遂しました。こうした努力の積み重ねが、学習塾の安定運営を支えています。

支援体制の整備と情報公開

しずく学習塾の活動を持続可能なものとするため、私たちは運営資金の調達においても透明性を大切にしています。

教室のお引越しに伴い、学習塾のホームページやチラシを全面的に更新しました。その際、新たに「ご支援のお願い」というページを作成し、銀行振込やカード決済での支援を受け付ける体制を整えました。

地域の皆様からのご支援は、私たちの活動の大きな支えです。資金の使途についても明確にお伝えし、信頼していただける運営を心がけています。寄付やサポートについては、今後も積極的に情報発信していきます。

地域イベントとの連携

しずく学習塾の活動は、つない堂が展開する他の地域貢献活動とも連携しています。この相乗効果が、地域全体からの信頼の輪を広げることにつながっています。

2025年8月2日には「ちびっこ応援!木工教室」を開催し、午前の部には3家族にご参加いただきました。インテリア棚やキーフックづくりに挑戦する子どもたちの真剣な表情は、今でも印象に残っています。猛暑の中でしたが、冷風機を設置するなど、快適な環境づくりにも配慮しました。

また、2025年9月には西区役所からのお声掛けで「伊川リバーフェスタ」や「西区もくいく」に参加。2025年1月には「エニシミーツ」(E-NISHIと縁を掛けたネーミング)にも参加しました。こうした地域との接点が、学習塾への信頼にもつながっています。

本業の専門性が支える教育活動

建築業で培った教育への想い

私たちは本業である建築業を通じて、職人育成や教育に長年取り組んできました。この経験が、しずく学習塾の運営にも活かされています。

2023年4月に開校した「マイスター高等学院」は、職人不足の時代に、通常の高校では見逃されがちな才能を発掘し、開花させる学校として設立しました。高校卒業資格を取得しながら、大工など建設業における職人としての技術を身につけることができます。

この取り組みは、未来の建築業界を担う人材を育成する重要なプロジェクトです。若い世代に技術を伝承し、ものづくりの素晴らしさを伝えていくことが、私たちの使命だと考えています。

職人起業塾の全国展開

2013年に開講した「職人起業塾」は、2016年に一般社団法人として全国展開を果たしました。この塾では、職人の社内起業家精神を醸成することを目的としています。

単に技術を教えるだけでなく、職人自身がビジネスマインドを持ち、自立して活動できるようサポートしています。ものづくりの担い手を子どもたちの憧れの職業にする。これが私たちの長期的なビジョンです。

しずく学習塾の活動も、この理念と深く結びついています。子どもたちに学ぶ喜びを伝え、将来の可能性を広げる。教育を通じて社会に貢献するという姿勢は、職人起業塾の精神とも共通しています。

ものづくりの価値観を次世代へ

私たちが大切にしている「受け継がれる価値のある丁寧なものづくり」という考え方は、子どもたちの教育にも反映されています。

愛知県の歯科クリニックで施工した際、隠れてしまう左官の下地である「木摺り」にも美しさを追求しました。見えない部分にも妥協しない姿勢。これは、学習塾での指導においても、基礎を大切にする真摯な学びの姿勢として伝えられています。

また、2012年には高性能ゼロエネルギー住宅SUMIKA-ZEROが国土交通省に認定されました。現在も推進しているGX志向型住宅のように、私たちは常に環境と経済の両立を目指しています。持続可能な社会への貢献という価値観を、次世代に伝えていきたいと考えています。

細やかなコミュニケーションの重視

私たちの建築プロセスでは、女性建築設計士と大工による細やかなコミュニケーションを大切にしています。専門家としての提案から施工プロセスまで、すべてを見える化することで、お客様との信頼関係を築いています。

この姿勢は、学習塾の運営にもそのまま活かされています。子どもたちや保護者との対話を重視し、学習の進捗状況を丁寧に共有する。透明性の高い運営が、地域からの信頼につながっています。

2022年には一般社団法人日本未来企業研究所より「未来創造企業」として認定されました。この認定は、私たちが理念に基づいて事業を行い、社会的責任を果たしていることの証です。

つない堂のビジョン実現に向けて

検索不要の安心安全な地域社会を目指して

つない堂は「信頼の輪を広げ、検索不要の安心安全な地域社会を作る」というビジョンを掲げています。これは、インターネット検索に頼るのではなく、顔の見える信頼関係に基づいて、必要な情報やサービスが循環する社会を目指すものです。

しずく学習塾が満席になり、口コミや紹介で子どもたちが集まってくる現状は、まさにこのビジョンが実現しつつある証です。信頼を軸に人と人を繋ぎ、ご縁を紡いでいく。こうした活動の積み重ねが、地域社会を豊かにしていくと信じています。

リアルなネットワークの構築

つない堂では、あらゆる分野で卓越した知見を持つ人、事業所、サービスを発掘し、リアルなネットワークを構築することを目指しています。地域情報誌「つないどう?」の作成もメイン業務として継続しており、専門的かつ社会性の高い情報を発信しています。

例えば、大工が泊まり込んで行った「能登半島輪島市黒島地区の伝統的建築物修復レポート」など、建築の専門家だからこそ伝えられる情報を積極的に公開しています。こうしたメディア活動も、地域との信頼関係を深める大切な取り組みです。

長期的な安心の提供

私たちは2009年より、無料巡回メンテナンスサービスを本格化しています(無料巡回エリアは神戸近郊に限られます)。建てた家だけでなく、その先の生活全体にわたって安心と安全を提供し続けることが、私たちの責任だと考えています。

この長期的な視点は、しずく学習塾の運営にも共通しています。一時的な支援ではなく、子どもたちが成長し、地域で活躍できるまで見守り続ける。そんな姿勢で、これからも活動を続けていきます。

おわりに:地域と共に未来を継ぐ

しずく学習塾の満席御礼は、私たち株式会社四方継にとって大きな喜びであると同時に、責任の重さを改めて感じる出来事でもあります。

地域の皆様からいただいた信頼に応えるため、スタッフ一同、これからも全力で取り組んでまいります。場所拡大という課題にも前向きに挑戦し、より多くの子どもたちに学びの場を提供できるよう努力を続けます。

「人を繋ぎ、ご縁を紡ぎ、いい街を継ぐ」というビジョンのもと、子どもたちが希望を持って成長できる環境を整備していく。これが私たちの変わらぬ想いです。

今後とも、しずく学習塾とつない堂の活動にご注目いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。地域の皆様と共に、未来を創っていきたいと考えています。

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